月1原発映画祭/交流カフェについて

☆月1原発映画祭/交流カフェについて☆

「「月1原発映画祭/交流カフェ」は原則として毎月第1土曜日に開催しています(変更になる月もありますので、HP等で事前にご確認ください)。
始まりは2012年5月で、以来毎月1回、原発に関連した映画・映像を上映し、併せて交流カフェを開催、ゲストを迎えてお話を聞いたり、意見交換・情報交換をしたり、日ごろの思いや疑問を語り合ったりする交流の場を提供しています。脱原発を願う人も脱原発に疑問を持つ人も含めて、いろいろな考えの方が気軽に参加できる会をめざしています。

会場はおもに東京の「谷中の家」(台東区谷中3-17-11)です。
(定員30名ほどの小さなスペースですので、予約をお願いしています。予約のない方はご入場いただけない可能性がありますので、必ず事前にご予約ください)

この会を始めたきっかけとなったのは、「原発都民投票」の実現をめざした活動でした。東京電力福島第1原発事故のあと、自分たちが使う電気を原発に頼るのかどうか、電力の一大消費地である東京都民1人ひとりが考え、意思表明できる場をつくりたいと願う人々が率先して、都内各所の自分の住んでいる地域で原発都民投票条例制定のための法定署名活動をおこないました。その結果32万を超える都民の署名が集まり、2012年6月の都議会で審議されましたが、結果は否決、原発都民投票は実現されませんでした。
けれども、この活動を通じてできた地域でのつながりを生かし、引きつづき情報交換をしていこうということから「地域から未来をつくる・ひがし広場」のネットワークができ、原発について継続して語り合っていく場として「月1原発映画祭/交流カフェ」が生まれました。

スタッフ募集

月1原発映画祭はボランティアで運営しています。月に1~2回のミーティングとふだんのメールのやりとりで、企画・運営を進めています。ご都合に応じて可能な範囲での参加でOKです。一緒にやってみようかな?と思われたら、どうぞお気軽にお問い合わせください!
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月1原発映画祭

月1原発映画祭ニュースレター第13号

「月1原発映画の会」スタッフの阿部です。
月1原発映画祭ニュースレター第13号をお届けします。

■今月のトピック「世界の原発ってどうなっている?」

ニュースレター第7号で「映画でみるチェルノブイリ」として私たちスタッフが選んだ映画を紹介しました。そのときベラルーシの原発建設について知り、そういえば世界の原発はどんな状況にあるんだろう?との疑問がわいたのが、今回のニュースレターのきっかけになりました。

◆原子力発電所数は434基、出力は4億788.2万kW

一般社団法人日本原子力産業協会が今年5月、『世界の原子力発電開発の動向(2021年版)』を刊行しました。

一般社団法人日本原子力産業協会のプレスリリースはこちら↓
https://www.jaif.or.jp/cms_admin/wp-content/uploads/2021/05/doukou2021-p...

主なポイントを紹介します。
・1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故で、最も大きな被害を受けたベラルーシでは、現在2基の原子力発電所(ロシア製)が建設中(*現在1号機はすでに運転開始)。ベラルーシにとっては初の原発で、最大の目的は電力輸出による外貨獲得。福島第一原発事故後に設定された最新の安全基準クリアを強調。
・新規計画中の原発は中国の29基を筆頭に全部で82基。
・脱原発方針を定めているドイツでは、これまで11基を閉鎖し、6基が運転中。
・安価に低炭素電源を調達する流れで既存炉の運転期間延長が進む。アメリカではほとんどの炉が運転期間を40年から60年へ延長済みで、今後さらに80年に延長する炉が増加する見込み。

・世界の原子力発電開発の運転・建設・廃止動向
https://www.jaif.or.jp/cms_admin/wp-content/uploads/2021/09/worldnuclear...
(以下、上記資料より抜粋)

順位 国・地域 運転中(基)
1 米国 94
2 フランス 56
3 中国 48
4 日本 10(33)
5 ロシア 34
6 韓国 24
7 カナダ 19
8 ウクライナ 15
9 英国 15
10 ドイツ 6

・ちなみに日本の原子力発電炉は、運転中は9基、停止中で運転可能炉は27基、24基が廃炉(*JPDR=茨城県東海村の日本原子力研究所で1963年から1973まで運転された日本初の発電用原子炉、ふげん、もんじゅは含まず)、(2021年9月28日現在)

・日本の原子力発電所の状況(資源エネルギー庁)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/nuclear/001/p...

さらにこれまで月1原発映画祭で上映してきた『シェーナウの想い―自然エネルギー社会を子どもたちに』と『こんにちは貢寮(コンリャオ)』にちなんで、ドイツと台湾の話題をお届けします。

◆ドイツの脱原発は2022年に完了

2012年の第3回映画祭を最初に、これまで5回上映してきた『シェーナウの想い―自然エネルギー社会を子どもたちに』は、ドイツ・シェーナウ市の住民グループが、チェルノブイリ原発事故をきっかけに、原発に一切頼らない自然エネルギーの電力会社を誕生させるまでのプロセスを綴ったドキュメンタリーです。見るたびに、市民にも脱原発の実現に向かってできることはあると力づけられる映画でした。

※もう一度視聴したい人はこちら→ https://www.youtube.com/watch?v=g7FUorP4wAo
(2008年/ドイツ/60分)

 
現在ドイツでは6基の原発が運転を続けていますが、今年末には3基が、残る3基も来年末までに原子力法上の閉鎖期限を迎え、脱原発が完了する予定です。
「脱原子力」と「再生可能エネルギー拡大」がドイツのエネルギー政策の基本方針となったのは、社会民主党と環境政党「緑の党」による連立政権が発足した1998年。2002年の原子力法改正で原子炉の新規建設禁止と共に、各炉の発電電力の上限が決められ、その枠を使い切った炉から閉鎖されることになりました。脱原発の動きが順調に進む一方で、家庭向け電気料金が10年間で約1.7倍となったり、不安定な電力供給を補うために、石炭火力への依存が続くという問題も出てきました。

2010年にメルケル政権が、電力の低炭素化と経済性を確保しながら再エネ拡大を進めるために原子力活用を決断し、発電電力の上乗せを行い、全炉で平均約12年の運転延長が可能になりました。ところが福島第一原子力発電所の事故が起き、運転延長は撤回。2022年までにドイツは脱原子力を完了させることにしたのです。ドイツ政府は脱原発に伴い損害を受けた電力会社に総額約3,100億円を支払うことでも合意しています。

ただ再エネ発電量は確実に増加しているドイツも、温室効果ガス削減となると、道は明るいわけではありません。昨年は削減目標をクリアしていますが、これはコロナ禍のロックダウンによる経済活動低下の影響と考えられています。

ところでEUは2050年までに域内の温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げています。そのために原発の活用を表明している加盟国もあります。欧州では国境を超えた電力取引が常態化しているので、ドイツが脱原発を進めても、実際にはフランスをはじめとする近隣国の原子力発電による電力が流れていることも事実です。しかしドイツの脱電発の取り組みは自国でできることにまず手をつけたということであり、実際、毎年再生可能エネルギーによる発電量の比率が増え、外国から輸入する電力量は年々減っているので、原発依存が減っているともいえます。

※参考資料
・電気事業連合会 【ドイツ】2022年に脱原子力完了〜ドイツエネルギー政策のこれまでとこれから(2021/6/2)
https://www.fepc.or.jp/library/kaigai/kaigai_topics/1260470_4115.html
・EnergyShift 「ドイツはフランスの原発由来電力を輸入している」は本当か(2019/8/6)
https://energy-shift.com/news/686fba8d-956a-45a3-8b61-15b7dea97909
・独立行政法人労働政策研究・研修機構 ドイツの「脱原発」――事実はどうなのか(2011/5/25) *10年前の記事ですが歴史的経緯がよくわかります。
https://www.jil.go.jp/column/bn/colum0174.html

◆台湾は12月18日に公民投票で第四原発稼働の是非を問う

台湾第四原子力発電所(以下、第四原発)は、台湾で4番目の原発として計画されました。原子炉が日立製作所と東芝、発電機が三菱重工業による初の日本の輸出原発です。月1原発映画祭で上映した『こんにちは貢寮』は、この原発の建設地、貢寮(コンリャオ)の地元の様子を描いたドキュメンタリーです。

※当日の報告についてはこちら→ http://www.jtgt.info/?q=node/397
※映画の予告編はこちら→ https://www.youtube.com/watch?v=3CuMfpseXTI

第四原発の予定地に貢寮が決定したのは1983年。1994年の住民投票で98%が建設に反対したにもかかわらず、1999年に着工しました。しかし大規模な反原発運動が起きて世論が原発廃止に傾き、2015年に建設は凍結。2016年には総裁選で脱原発を掲げる民進党の蔡英文が大統領となって、2025年までの全原発の停止を定めた改正電気事業法が成立。ところが2017年に起きた台湾全土で全世帯の半数に影響が及ぶ大規模停電から、電力の安定供給への不安が高まり、2018年の住民投票で、蔡政権が法律に盛り込んだ「脱原発の法的期限」が撤廃されることになったのです。

蔡大統領は「第四原発の稼働は絶対に選択肢にない」との考えを表明し、エネルギー転換を全力で進め、太陽光発電や風力発電の割合を徐々に増やしていくとしており、約5〜6年以内には、発電量に占める再生可能エネルギーの割合が20%に達するとの見通しです。すでに台湾では、第一原発は運転期限の40年を超え廃止措置に入っていること、稼働中の第二、第三原発も2025年までに順次運転期限を迎えることから、第四原発が稼働しなければ、2025年の脱原発は成立します。

また、たとえ12月の選挙で(当初は8月を予定していたが新型コロナのため延期)原発賛成派が勝っても、建設許可期限が切れていることから、実際に第四原発を稼働させることは不可能な状況です。ただ、産業界を中心に原発の存続を望む人々は、選挙に勝つことで、「脱・脱原発」を盛り上げ、政権交代などを通じて原発の存続につなげたいと考えているようです。

※参考資料
・ノーニュークスアジアフォーラム「第四原発とお別れしよう! ― 12.18公民投票(国民投票)」
http://nonukesasiaforum.org/japan/archives/2260
・JIJI.COM「台湾、脱原発まで4年 再生エネ拡大に注力―根強い抵抗続く」(2021/3/9) https://www.jiji.com/jc/article?k=2021030800643&g=int
・西日本新聞「台湾揺れる脱原発路線 大停電で供給不安、建設再開巡り世論二分(2020/3/11)https://www.nishinippon.co.jp/item/n/590971/
・日本貿易振興機構アジア経済研究所海外研究員レポート「第4原発に関する国民投票は実施されるのか」(2013/4)→*これまでの台湾の原発と国民投票の歴史がわかります。
https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Overseas/2013/ROR201306_001.html 

*今回あらためて、「脱原発は難しい!」と感じました。「原発は必要である」の根拠として必ず出てくるのが、「原発はCO2をほとんど排出しないクリーンエネルギー」「電力の安定供給に原発は必須」「原発がなければ電気代が上がる(自然エネルギーはコストがかかる)」などです。私自身はさまざまな問題を解決するためにこそ技術開発があると思っているので、まずは脱原発を前提にして方策を探るべきと考えていますが。
再生可能エネルギー電力購入希望者を募る「みんなでいっしょに自然の電気(みい電)」キャンペーン(東京都などが主催)に参加して、わが家のエネルギーシフトを図ったのも、自然エネルギーによる電力を希望する人が増えることで、技術開発の後押しにつながると考えたからです。今秋、第4回みい電キャンペーンも始まります。
登録はこちら→https://group-buy.metro.tokyo.lg.jp/energy/shutoken/home
原子力エネルギーが安全なエネルギーに置き換わるまで「脱原発」を言い続けること、そして、自分自身の毎日の生活での「1にも2にも省エネ実践」。日々の電気使用量のグラフを見る習慣もつきました。(文責:阿部)

■インフォメーション

▪放射線被ばくを学習する会などが呼びかけ人となって、福島県県民健康調査検討委員会 などに申入書「福島甲状腺がん・「過剰診断」論を撤回し、検査を拡充すべきです」を提出するキャンペーンを立ち上げ署名を集めています。すでに第一次の署名提出は行われましたが、さらに多くの署名が集まることでメディアに取り上げられる可能性が高まります。第2次集約は12月末日です。
https://bit.ly/3uNTsZr

▪原子力資料情報室が主催する原子力をめぐる9つのテーマで7月から「連続ウェブ講座2021」(全9回)を開催しています。終了した講座を動画で視聴できます。
https://cnic.jp/39435

▪英文ウェブサイト『Nuke Info Tokyo』で34年間、日本の原子力産業の実情や脱原発運動に関する最新情報を世界に発信してきた原子力情報資料室が、今後の運営の安定した継続に向けてREADYFORを利用してクラウドファンディングを行っています。
https://readyfor.jp/projects/CNIC2021?argument=wV7LNzgg&dmai=a60ac7bfd02...

■1行ニュース

▪NHK:福島第一原発 汚染水処理のフィルター破損 2年前も同様の破損(2021/9/14)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210914/k10013258131000.html

▪朝日新聞: 福島第一原発建屋上部で高い放射線量 燃料デブリ並み、廃炉に影響も(2021/9/14)
https://www.asahi.com/articles/ASP9G753HP9GULBJ004.html

▪読売新聞: 1000年前「未知の巨大地震」が発生か、九十九里浜に大津波の跡(2021/9/25)
https://www.yomiuri.co.jp/science/20210925-OYT1T50201/

▪新聞赤旗:原発事故「国に責任」 愛媛避難者訴訟 高松高裁が判決 高裁で断罪3件目(2021/9/30)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-09-30/2021093001_03_0.html

■超ショートコラム「自分の言葉で伝えよう」

「新型コロナで不要不急の外出自粛を求められていましたが、家で一人でいるとエアコンをつけないと熱中症になるかもしれないし、ついテレビをつけてしまうし、ということで、図書館や美術館などに出かけるという省エネを実施。不要不急じゃないと思うんだけどなあ」(東京・HAさん)

このコーナーへの投稿を募集します。
お題: 「原発ないと困るでしょ」「原発ゼロの主張は無責任」って言われたら?/私の省エネ/わが家のエネシフトなど広くエネルギーに関わるものならなんでもOK。→200字以内、名前/ペンネーム、住んでいる地名などは投稿された方の任意とします。
投稿の原稿はメールでeigasai2021★jtgt.info宛てにお送りください。←★を@に置きかえてください。

■次回のニュースレター

次回は、「原発問題に関するお勧め本」をご紹介する予定です。

■ 月1原発映画の会

問い合わせ先  eigasai2021★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
http://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

月1原発映画祭ニュースレター第12号

「月1原発映画の会」スタッフの小林です。
月1原発映画祭ニュースレター第12号をお届けします。

■今月のトピック「避難できる? 東海第二原発」

今年(2021年)3月、水戸地裁は「避難体制が整えられず、安全性に欠ける」と、日本原子力発電に東海第二原発(茨城県東海村)の運転禁止を命じました。今号では、東海第二原発の基本情報と、今回の判決の意義をお伝えします。

◆東海第二原発はどんな原発なのか。まずは楽しく「漫才で」確認したいと思います。

◇「オカンが忘れた原発の名前は?(ミルクボーイふうに)」 作:平坂謙次(原発と足立を考える会)
http://www.jtgt.info/sites/default/files/2021-09-11-1.pdf

◇3年前(2018年)のNNNドキュメント「首都圏の巨大老朽原発 再稼働させるのか ‘東海第二’ 」に、わかりやすくまとめられています。(24分)
https://www.dailymotion.com/video/x6x1slt

日本原子力発電(株)とはどのような会社なのでしょうか。
日本に商用原子力発電を導入するために、電気事業連合会加盟の電力会社9社と電源開発の出資によって1957年に設立された卸電気事業者(略称は原電または日本原電)。
原電保有の東海発電所は日本最初の商業用原子炉で、現在は解体中、敦賀発電所1号機は廃炉決定済、敦賀発電所2号機は定期点検中、東海第二原発は停止中。

◆では次に、今回の裁判はどのようなものだったのかというと・・・

◇再稼働を目指す東海第二原発を巡り、11都府県の住民ら224人が原電に運転差し止めを求めた訴訟。前田英子裁判長は、原発の半径30キロ圏に94万人が暮らすことを踏まえ「実効性ある避難計画や防災体制が整えられているというにはほど遠い状態で、人格権侵害の具体的危険がある」と、判決の理由を説明した。事故時の避難計画の不備を理由に、原発の運転差し止めを認めたのは初めて。判決では、避難計画を策定しなければならないとされている30キロ圏に住む原告住民79人の請求を認める一方、それ以外の請求は棄却した。
(棄却された請求についてなど、詳しくはこちらの「判決要旨」をご覧ください) http://www.t2hairo.net/hanketsu/t2hanketsuyoushi.pdf

東京新聞:東海第二原発の運転禁じる 水戸地裁「防災体制は極めて不十分」(2021/3/18)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/92269

◇なお、原告、被告ともに控訴したため、二審は東京地裁で争われます。
東京新聞:原告側住民120人が控訴 東海第二原発の運転差し止め訴訟(2021/3/31)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/95030

◇弁護団長の河合弘之弁護士が、判決の意義をわかりやすく解説した動画はこちら。
20210416 UPLAN 河合弘之「水戸地裁 勝利判決をうけて(東海第二原発運転差止め訴訟)」
https://www.youtube.com/watch?v=_ZicQTYsC8U

(最初~43:30まで今回の判決の意義。その後30分ほどは脱原発裁判全般についてなど)
レジメはこちらから
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/files/efbc88e383ace382b8e...

◇「東海第2原発差止訴訟団」のサイトにはさらに詳しい情報が載っています。
http://www.t2hairo.net/

◆関連するその他の情報

◇避難計画については「内閣府原子力防災担当」(2014年に発足)が担っています。避難計画を策定するべき範囲など、こちらの「よくあるご質問」のページが(実現可能かどうかは別にして)わかりやすいです。
https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/faq/faq.html

◇茨城県内には、東海第二原発の他にも、原子力関連の施設が複数存在します。
https://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/gentai/shomu/bunakatu/images/... (茨城県公式サイトより)
その中でも、日本原子力開発機構の再処理施設(核燃料サイクル工学研究所)には、高レベル放射性廃液やガラス固化体があります。施設の廃止は決まっていますが、廃止完了には70年かかる予定です。東海第二原発とこの施設は2.8kmしか離れていません(上記地図②。原発は③)もし原発で事故が起これば、再処理施設にも影響が及ぶかもしれません。
朝日新聞:東海再処理施設の廃止作業2年ぶり再開へ 完了に70年(2021/8/16)
https://www.asahi.com/articles/ASP8J5WS3P8JULBJ00J.html

◇1999年9月、東海村にある核燃料加工会社JCO(上記地図⑪)で臨界事故が起こり、2名の作業員が死亡、近隣住民が被ばくしました。2年前の東京新聞の記事です。
<薄れゆく「青い光」 JCO臨界事故20年>(上)語れぬ苦しみ今も(2019/9/28)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/19329

◇日本原電は、保有する敦賀2号機の地質データを書き換えていました。このような会社に原発を運転する資格があるのでしょうか?
(朝日新聞社説)原発審査中断 原電に任せられるのか(2021/8/29)
https://www.asahi.com/articles/DA3S15025510.html

◇「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」では、毎月第1水曜日の夕方、日本原電本店(台東区上野5丁目)前で抗議行動を行っています。また、首都圏のさまざまなグループが各地で行う一斉行動(1回目はこの9月11日に実施)などを開催していく予定です。参加の希望やお問い合わせは、以下まで。
「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」stoptokai2.shutoken★gmail.com ←★を@に置きかえてください。

◇2019年7月、月1原発映画祭では 『恐怖のカウントダウン~東海第二原発を止めたい』(遠藤大輔監督)を上映しました。
http://www.jtgt.info/?q=node/2451

*今回改めて学んだのは「深層防護の考え方」でした。私なりの言葉でまとめると、原発は異常を起こさないように作られ運転されなければならない➡もし異常が起きても事故に発展させてはならない➡もし事故が起きても炉心を損傷させてはならない➡もし炉心が損傷しても放射能を施設外に出してはならない➡もし放射能が外に出ても、周辺住民が安全
に避難できる体制を作っておかねばならない。本当にこの防護を徹底しようとすれば、どこの原発も動かしてはならないはず。今回の判決は、他の裁判にも、また避難計画を作る各自治体にも影響を与えていくことと思います。が、まだ判決は確定していません。東京高裁での二審判決、再稼働に向けて工事を進めている原電の動き、ともに注目していきましょう。(文責:小林)

■インフォメーション

▪ 福島映像祭2021(主催:OurPlanet.TV)9月18日(土)~24日(金)ポレポレ東中野
http://fukushimavoice.net/fes/fes2021
(東海第二原発再稼働を問う県民投票実現を目指した市民運動の映画『県民投票』も上映されます)

▪福島原発刑事訴訟支援団【全6回:連続オンラインセミナー】 「責任は誰がとるのか ~東電刑事裁判 控訴審始まる~」
https://shien-dan.org/online-seminar-202108/

▪FoE連続オンラインセミナー  エネルギー基本計画素案を読む
https://www.foejapan.org/event/supt/6thenergyplan.html
第6次エネルギー基本計画(案)にパブリックコメントを!(10月4日まで)
https://www.foejapan.org/climate/policy/6thenergyplan.html

■1行ニュース

▪日本経済新聞:原発処理水を沖合1キロに放出 東電が方針、風評を抑制 (2021/8/25)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA249G40U1A820C2000000/

▪テレ朝news:全漁連「断固反対」福島第一原発処理水の海洋放出 (2021/08/25)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000226630.html

▪OurPlanet-TV:原発事故後の未公表データで食品から高濃度のヨウ素132〜福島県
(2021/8/25)
http://ourplanet-tv.org/?q=node/2597

▪毎日新聞:福島の帰還困難区域 20年代に希望者全員帰還へ 政府方針(2021/8/31)
https://mainichi.jp/articles/20210831/k00/00m/010/288000c

■超ショートコラム「自分の言葉で伝えよう」

このコーナーへの投稿を募集します。
お題: 「原発ないと困るでしょ」「原発ゼロの主張は無責任」って言われたら?
「五輪が終わって思っていること」「コロナ禍の自粛で考えたこと」などでも構いません。→200字以内、名前/ペンネーム、住んでいる地名などは投稿された方の任意とします。
投稿の原稿はメールでeigasai2021★jtgt.info宛てにお送りください。←★を@に置きかえてください。

■次回のニュースレター

次回は、「世界の原発の今」についてお伝えする予定です。

■ 月1原発映画の会

問い合わせ先  eigasai2021★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
http://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

月1原発映画祭ニュースレター第11号

「月1原発映画の会」スタッフの小林です。
月1原発映画祭ニュースレター第11号をお届けします。

■今月のトピック

今月は「福島復興五輪に思う」のテーマで、スタッフそれぞれの思いを集めました。
まずは、復興五輪のコンセプトを確認すると・・・

◆「復興五輪」(復興庁 復興五輪ポータルサイトより)

◎東日本大震災に際して、世界中から頂いた支援への感謝や、復興しつつある被災地の姿を世界に伝え、国内外の方々に被災地や復興についての理解・共感を深めていただくこと
◎大会に関連する様々な機会に活用される食材や、競技開催等をきっかけとして来ていただいた被災地の観光地等を通じて、被災地の魅力を国内外の方々に知っていただき、更に被災地で活躍する方々とのつながっていただくことで、大会後も含め「買ってみたい」「行ってみたい」をはじめとする被災地への関心やつながりを深めていただくこと
◎競技開催や聖火リレー等、被災地の方々に身近に感じていただける取組を通じて、被災地の方々を勇気付けること
等により、復興を後押しすることを主眼とするものです。
これは、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の理念の一つとして大会招致の時から掲げられてきたものであり、こうした目標が達成できるように復興の情報発信などに取り組んでいます。
https://www.reconstruction.go.jp/2020portal/reconst-olympic/
(各省庁の取り組みなども読むことができる)

◆招致から開催までの流れを追ってみました。

◇2009年10月 2016年五輪の招致に失敗
◇2011年3月11日 東日本大震災、福島第一原発事故発生。原子力緊急事態宣言発令(現在ももちろん解除されていない)

4月10日 東京都知事選挙で、石原慎太郎氏が当選(4期目)

7月 石原都知事が2020年五輪への立候補を正式表明。スピーチで、東日本大震災からの復興を世界に示す「復興五輪」であると語り、招致のテーマとなった
http://www.asahi.com/olympics/hosting-in-japan/TKY201107160297.html

12月 政府(野田佳彦首相)が、福島事故炉の冷温停止を宣言

◇2012年5月 国内向けの招致スローガン「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ」を発表。招致委員会による寄付サイトが立ち上げられた。

https://donation.yahoo.co.jp/detail/4720001/
12月 衆院選で自民党が勝利し、安倍晋三氏が首相に。同日の東京都知事選で、猪瀬直樹副知事が東京都知事に。

◇2013年8月 第一原発のタンクから汚染水約300トンの漏洩が見つかる。しかし翌月・・・

9月 五輪の東京開催が決定。招致演説で安倍首相が「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御(under control)されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません」と述べた。発言は、20年3月に首相が浪江町を訪れて、記者の質問に答えなかったときの動画で見ることができる。
【Choose TV 「コロナ時代のメディア」第一部より】「官邸HPから消された記者質問」
https://www.youtube.com/watch?v=u6v5Gfrqn6k

◇2015年6月 福島県知事が避難指示区域外の避難者に対する住宅の無償提供を17年3月で打ち切る方針を発表。記事は19年5月のインタビュー

〈原発事故避難者は今〉/住宅支援打ち切りの冷酷さ
https://www.rengo-news-agency.com/2019/05/29/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF...

◇2018年7月 聖火リレーのスタート地を福島県とすることを決定

9月OurPlanet.TV 海外メディア向けに「復興五輪」をPR
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2307

◇2020年2月OurPlanet.TV  復興五輪のかげで〜聖火リレーが映すもの、映らないもの(取材・撮影:豊田直巳)

http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2472
3月 コロナウィルス感染拡大により、五輪の1年延期を決定。安倍首相「人類が新型コロナに打ち勝った証として、完全な形で開催する」

9月 菅義偉氏が首相に。

◇2021年3月25日 楢葉町のJヴィレッジから聖火リレーがスタート

福島・聖火リレー「復興途上の街並み」ルート幻に 組織委同意せず(毎日新聞7月15日)
https://www.youtube.com/watch?v=KLx7P0EVN8I

6月 OurPlanet.TV「復興五輪?ふざけんな!」吠える福島県の牛飼い・吉沢正己 (取材・撮影:豊田直巳)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2573
7月10日 首都圏や北海道に続き、福島県も無観客での開催を決定
「復興五輪の意義、見いだせない」福島も無観客、現地しらけムード(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20210710/k00/00m/050/272000c?cx_fm=mailasa&...

7月18日 復興五輪、看板倒れ…選手食堂での被災地食材アピール見送り「一部の国から拒否の声」に抵抗できず(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/117584

7月21日 橋本聖子会長驚き「入ってると思っていた」発表文書に復興五輪記載なく(日刊スポーツ)
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/news/202107210000768.html

7月23日~8月8日 五輪開催

◆さて、五輪開催費用は・・・ 招致時の7340億円から1兆6440億円へ

TOKYO2020組織委員会およびその他の経費 20年12月発表 
https://olympics.com/tokyo-2020/ja/organising-committee/budgets/

しかしこれだけでは収まらないようです。19年12月会計検査院の報告によると、「関連支出」だけで、18年度までの6年間に約1兆600億円が使われています。上記費用と合わせると3兆円を超えることになります。(media close-up report 7月14日)
https://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015/e/bb3f9e2f7a76ab4e9d5bfbd53ad75f1a

◆月1原発映画祭スタッフの「福島復興五輪への思い」を集めました。

◇「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ」この言葉を聞いたとき、強烈な違和感を持ったのを覚えています。原発事故という現実を見ずに、夢を見ようとは、この国はいったい何を考えているのか、と。それに対して、どこで見たのか思い出せないのですが、「今、ニッポンには現実を見る力が必要だ」と書かれた方がいてとても共感しました。10年がたち、原発事故の後始末や被害者の方々の現実はますます見えづらくなりました。現実から目をそらせようとする力にだまされないように、関心を持ち続けていきます。

◇2013年9月7日、ブエノスアイレスのIOC総会で行われた当時の安倍晋三首相の招致スピーチを改めて見てみました。国立競技場建て替えも、招致のために「どこにも見られない斬新な設計の新しいスタジアム」が欲しかっただけだということがよくわかります。最初の国立競技場案、エンブレム案とも白紙撤回。買収問題が発覚し内部告発も。ボランティアユニフォームのデザインが没になり、費用はかさみ、1年延期、森喜朗組織委会長の差別発言と辞任、開会式の演出家と作曲家も次々とやめ、望まない国民のほうが多い中、無観客で、強行開催。その始まりとなった2013年9月7日のことは忘れてはならない。それぞれ5分強と3分弱ですので、忘れそうになったら、繰り返し見たい映像です。
「事態はアンダーコントロール」
https://www.youtube.com/watch?v=zf90ImlFDuU

「汚染水は福島第一原発の港湾内0.3k㎡で完全にブロックされています」
https://www.youtube.com/watch?v=zJK-DZpGNOE

◇2013年9月のIOC総会で、当時の安倍晋三首相が、東京五輪招致に向けて、福島第一原発の状況を「アンダーコントロール」と述べたときにはひっくり返るほど驚いた。その後、復興支援で何度か訪れていた岩手県で、建設に関わる人や重機が、被災地の工事を放り出して東京の五輪関連建築に移っていくのを見た。復興五輪と言いながら、復興にはえらく迷惑な話になっていると思った。コロナで1年延期が決まったときも、直前まで開催をめぐるすったもんだが続いたのも、私には「アンダーコントロール」発言へのしっぺ返しとしか思えない。五輪を見て選手たちの活躍に感動するのは、五輪開催の是非とは全く別の話だ。復興庁の復興五輪ポータルサイトもなんだか無理やりこじつけているみたいで虚しい。
下は現実を伝える福島民放テレビの番組。
https://news.yahoo.co.jp/articles/07846ceb6b79918ecb833a28f71ec41c47533960

◇復興五輪という言葉を聞くと、安倍元首相による五輪招致のスピーチの中の「アンダーコントロール」という言葉が脳裏によぎる。当時は事故を起こした原発の汚染水が海に流れ出ていて、湾内に張り巡らせたフェンス一枚で遮っていた。当然こんなものでは汚染水を遮れるものではなかったが、招致委員は安倍元首相を批判することなく東京五輪が決まった。後に、五輪招致のための賄賂工作などが明らかになっているが、国内で司法が乗り出した形跡はない。

当初より福島の復興にどのように五輪を絡めるのかについて理解に苦しんだが、五輪が開催されてみても、五輪によって福島の復興が恩恵を受けた形跡はまったく感じない。あるのは政治的パフォーマンスと電通などへの利権にまみれた無駄なお金の垂れ流しである。これは、福島の除染作業を始めとするお金の使い方、アベノマスクに象徴される利権団体へのお金の流れと通じるものがある。先頃、ツイッターで、「五輪の費用は都民1人あたり10万円」というのが話題になっていたが、膨大な税金をつぎ込みながら中身の薄い対策しか行えないという面で共通している。

「安全安心」というスローガンも福島と五輪で共通する。原発については安全安心という神話が国民には刷り込まれてきた。しかし、まともな津波対策、事故対策が取られておらず重大事故を招いてしまった。コロナ禍での五輪では管首相による安全安心というかけ声がむなしく繰り返される。空港での選手団が一般客と混ざってしまっている状況や、相次ぐ選手や関係者の感染など、安全安心からはほど遠い。この原稿を書いている五輪開催中である昨日(7月31日)の都の新型コロナ感染者数は4058人と過去最大である。

原発・五輪・コロナを通じて、そろそろ気がつこう。政府が「安全安心」と繰り返し説明する時は、「安全ではないが国民は安心だと信じ込め」という政府による刷り込み・洗脳の意図がある。いわば「危険安心催眠術」ともいえる。安全安心のかけ声のもとに巨額の税金が投じられる時は、利権にまみれた実益の薄いお金の流れがある。電通を始めとするマスコミはこの洗脳に与して、利権の一部を吸い取っているから、安全安心に対する批判はほとんど報道されない。安全安心は政府にとって黄金の方程式であり、水戸黄門の印籠のようなものである。これを打ち破るには、大多数の国民がこのからくりに気がつく必要がある。野党はこれを政府打倒の道具として欲しい。

復興五輪という空虚な言葉は、このような2021年時点の日本の無様な政治や社会の有様を、末永く後世に伝えるレジェンドとすべきである。

■インフォメーション

▪東京五輪開会式の夜、スイス国営テレビのドイツ語放送で放映されたドキュメンタリー『サイレント福島』。スイス・日本人映画監督のアヤ・ドメーニグ最新作。Vimeoにて364円でレンタル視聴できます。
https://www.ayadomenig.ch/?fbclid=IwAR2WzGsNrSts0DmGpraqfrzFmQAXumJF3OJ10KBH (51分)

▪ドキュメンタリー映画「発酵する民」横浜ジャックアンドベティにて 8月14日~上映 
東日本大震災・原発事故から10年。あの時に生まれたものは、今も確かに続いている。
コロナ禍の今を照らす、発酵ドキュメンタリー!(平野隆章監督・92分)
https://www.jackandbetty.net/cinema/detail/2598/

▪第107回 VIDEO ACT! 上映会 ~あれから10年・福島県双葉町~
上映作品『原発の町を追われて・十年』(2021年/日本/53分)監督:堀切さとみ
9月14日(火)19時~ 東京ボランティア・市民活動センター(飯田橋)にて
上映後、監督を交えたトーク&ディスカッションを予定。要予約。参加費500円
http://videoact.seesaa.net/article/482815253.html

■1行ニュース

▪OurPlanet.TV:南相馬「特定避難勧奨地点」解除の取り消し認めず〜 東京地裁 (2021/7/12)
http://ourplanet-tv.org/?q=node/2579

▪NHK: 2030年時点の発電コスト 太陽光が最安に 原子力を初めて下回る
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210712/k10013135341000.html

▪NHK:「エネルギー基本計画」再生可能エネルギー割合36~38%に(2021/7/21)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210721/k10013151741000.html

▪朝日新聞:黒い雨訴訟の原告「首相談話、根本的解決策にならない」(2021/7/28)
https://www.asahi.com/articles/ASP7W7QX0P7WUCLV00D.html
(ニュースレター第5号でもお知らせした広島の「黒い雨」裁判は、国が上告をあきらめ、原告の訴えが認められました。しかし内部被爆については認めないとあります)

▪朝日新聞:経産省、放射性廃棄物の輸出を検討 廃炉の大型機器想定(2021/8/6)
https://www.asahi.com/articles/ASP866FPTP86ULFA010.html?iref=pc_ss_date_...

■超ショートコラム「自分の言葉で伝えよう」

このコーナーへの投稿を募集します。
お題: 「原発ないと困るでしょ」「原発ゼロの主張は無責任」って言われたら?
「五輪が終わって思っていること」「コロナ禍の自粛で考えたこと」などでも構いません。→200字以内、名前/ペンネーム、住んでいる地名などは投稿された方の任意とします。
投稿の原稿はメールでeigasai2021★jtgt.info宛てにお送りください。←★を@に置きかえてください。

■次回のニュースレター

次回は、「避難は実現可能? 東海第二原発運転差し止め判決の意義」についてお伝えする予定です。

■ 月1原発映画の会

問い合わせ先  eigasai2021★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
http://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

月1原発映画祭ニュースレター第10号

「月1原発映画の会」スタッフの西川です。
月1原発映画祭ニュースレター第10号をお届けします。

■今月のトピック「電力の民主化」

スタッフの西川です。月1原発映画祭ニュースレター第10号をお届けします。
ちょうど5年前の2016年4月1日、東京電力や関西電力など旧一電(旧一般電気事業者)10社が握っていた一般家庭への電力供給が、「電力自由化」(「電力完全自由化」ともいう)されて、各地域での大手電力会社一社独占状態から、一般消費者が電力会社を選べるようになりました。ところが、2020年末から2021年始にかけて起こった「電力卸売価格高騰」という事件は、耳新しい話ですし、太陽光発電の再生可能エネルギーが接続拒否されたという話も聞きます。電力自由化は、「電力の民主化」となっているのか、ほんとうに「完全自由化」と言えるのかという疑問が湧き、調べてみました。

◆「天然ガス在庫不足も需給逼迫も関係がない」電力の市場価格高騰、真の原因は

――新電力からの発言……竹村英明さん
https://energy-shift.com/news/8d7473bc-ed15-40af-8a98-f8278850904c


つまりは、日本の卸電力市場(JEPX)では、電気の「売り」も「買い」も、旧電力(旧一般電気事業者)が占めていて、かつ、送配電部分の分離も、形式的なもので、旧電力による市場価格の操作が可能。再生可能エネルギーをけん引してきたFIT電力も、2017年4月からは送配電事業者が買い取ることになってしまい、ますます市場操作がしやすくなってしまったのです。
電力の市場価格高騰で新電力が被った痛手は、約2000億円と推定され、その2000億円が旧電力に回りました。竹村さんたちのグリーンピープルズパワーも、数千万円の損失を出し、緊急の増資で補ったそうです。原因になったのは、年末年始のタイミングで卸電力市場に出される電力の量が減ったためで、天然ガスの高騰だというのは、誤り、関係がないようです。

◆以下の動画で「天然ガス(LNG)とJEPX売り入れ入札量の相関は弱い。気温とも相関なし」と、出てきます。

(動画&資料掲載)《緊急企画!》なんでこんなに高くなった!?でんき市場価格 高騰の裏側トーク
https://power-shift.org/210205_event/
6:00くらいから41:00くらいまで、安田陽さん(京都大学大学院 経済学研究科 特任教授)が、今回の高騰を順を追って説明されていてわかりやすいです。
(天然ガス高騰については25:00ころ)

◆電気事業用語集

https://www.greenpeople.co.jp/term/
つい5年前までは、電力の世界は大手10社が独占していて、一般市民があずかり知らぬものだったので、電気事業関連の用語は、まるで隠語、暗号のようです。
そこでこれを参照すると、便利です。

◆持株会社制度の「発送電分離」は名ばかりの“分離”?

見えてきた課題とは……飯田哲也さん
https://solarjournal.jp/solarpower/33973/
送配電は、道路や上下水道のように公共的な「インフラ」と呼ばれるものなので、本来は国や自治体が管理すべきものです。しかし、化石燃料問題で休止している火力発電所の枠や、電力供給の32%から6%に落ち込んだ原発の分を確保しているので、太陽光発電の接続拒否が起こるのです。
たとえば東京電力は、東京電力パワーグリッド(一般送配電事業)と東京電力エナジーパートナー(小売電気事業)に分離されましたが、どちらも東京電力ホールディングス(以下TH)のグループ企業で資金や情報を融通しあえます。
電力というものはあくまでも市場での入札の自由に任せるのでなく、上限を決めたり、市場操作されないようなオープンな市場づくりが課題だということがわかってきました。竹村英明さんによれば、この電力市場価格高騰で撤退や経営不振に追い込まれた新電力もあるそうです。これでは、新電力を伸ばすどころか、淘汰する方向へ舵が逆に切れているように思いました。

◆『線と管(くだ)のない家』月刊たくさんのふしぎ2020年3月号 福音館書店 770円

建築家中村好文さんは、決して建築界ではエリートではないけれど、上品な作風でとても人気があります。その中村さんが推奨する線も、管もない家。旧電力の支配からのがれるにはこういう抵抗もあるんだなと思いました。
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=5857

◆原発のない日本へ 電気代ゼロ円(オフグリッド)への挑戦

「福島第一原発事故をきっかけに、電力を自給しようという人たちが現れてきています。大手電力など外から電気を買わずに、しかも冷蔵庫、テレビを使う普通の生活を続けることはできるのか。太陽光発電で電力自給するお宅にお邪魔しました。」という動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=okx9_SJR2fQ

◆太陽熱温水器

線と管のない家には必須。電気を使わない自然循環型。熱くなったお湯は、上部の魔法瓶のような部分にたまる仕組み。一基20~30万円くらいです。
https://www.noritz.co.jp/product/taiyo/sj_series.html
動画:太陽熱利用機器「エコソーラーII」紹介映像
https://www.youtube.com/watch?v=4CW__llF-f8

◆無電力式ペレットストーブ

これも線と管のない家には必須。薪兼用で、8時間分のペレットが、少しずつ重力で落ちてきます。値段は、40万円ほど。
https://ishimuraonline.shop/?pid=138152088
動画:釜石『石村工業 クラフトマン』プロモーション映像
https://www.youtube.com/watch?v=p0SJqOwjjYU&t=26s

◆今さら聞けない! 仮想発電所(VPP)とは?

→個々の太陽光パネルを束ねて、一つの発電所のようにしようという試みです。
https://solarjournal.jp/solarpower/20460/
・仮想発電所(VPP)をわかりやすく解説します
https://power-hikaku.info/vpp/
・なんと2017年に経産省がこんなふうに説明しています。
これからは発電所もバーチャルになる!?
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/vpp.html

◆「オフサイトPPA」という新しい言葉について

いま話題の「PPA」とは何か:自家消費型再エネ調達
https://news.yahoo.co.jp/articles/db08340aecaae2d6cba2d2c54c62c6411064cfec
→NTTの太陽光発電所でつくった電気を、セブンイレブン40店舗で使う契約をしてウィンウィンのようです。ますます原発は要りませんね。

◆映画『国民の選択』宮本正樹監督、75分、2021年3月公開

今年になって公開された映画の紹介です。フィクションなので、舞台設定や演技に若干不自然さはありますが、原発や日本のエネルギー問題の資料映画、学習映画として見れば、意味があるのではないでしょうか。20××年、日本は原発禁止か否かをめぐって国民投票を実施。原発のあるまちの議員である父と、家族のお話です。
『国民の選択』公式サイト
https://www.kokumin-movie.com/
予告篇:https://www.youtube.com/watch?v=hKCTnegiHUQ
『国民の選択』宮本正樹監督インタビュー
https://www.asahi.com/and/article/20210317/24984466/

夏になると、電力ひっ迫が言われます。電力切り替えだけではなくて、電力自由化の背後にある不合理なもの、電力の民主化を阻むものについて、もっと敏感になって、制度を変えていく必要があると思いました。(西川) 

■インフォメーション

・連続シンポジウム 東海第2原発 避難問題を考える「原発事故 避難の現実」
2021年7月18日(日)13:30〜15:30 ウェビナーZOOM要申し込み
第1部 井戸川克隆 講演会「福島事故の教訓を生かしてください」オープニング映像上映
第2部 パネルディスカッション 「安全な未来を子どもたちに残したい」
主催:福島応援プロジェクト茨城
https://blog.goo.ne.jp/oueniba

■1行ニュース

・日本経済新聞:中国原発で放射線漏れか 米報道、ガス放出と仏電力(2021/6/15)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB14BZN0U1A610C2000000/

・NHK:東電 トリチウム分離技術を公募 福島原発の処理水問題で (2021/6/20)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210620/k10013093731000.html

・テレビユー福島:東京電力 今夏までに処理水賠償の枠組み提示へ 福島県の議論 透明性に疑問も (2021/6/21)
https://www.tuf.co.jp/newsdata/NS_play.php?NewsData=assets/article/20210...

・朝日新聞:福島第二原発、廃炉作業開始へ 2064年度終了めざす(2021/6/23)
https://www.asahi.com/articles/ASP6R31J1P6QULFA024.html

・日本経済新聞:40年超原発、全国初の再稼働 関西電力美浜3号機(2021/6/23)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF212460R20C21A6000000/

■超ショートコラム「自分の言葉で考えよう」

「ワクチン接種で家族と意見が食い違った。お互いに考えの根拠となった動画やツィートを教え合った。成人同士だし、ワクチンを打つ、打たないは自分で決めればいいのだけれど、もやもやしている。原発事故後、放射能をどれだけこわがるのか、避難するのかどうか、家族や友人と意見が違った方々は、どれだけもやもやされ苦しまれた(今も苦しんでいる)ことだろう。今さらながら少しだけ実感できている気がする。(文京区・K)」

■「自分の言葉で答えよう」への回答募集

このコーナーへの投稿を募集します。
→200字以内、名前/ペンネーム、住んでいる地名などは投稿された方の任意とします。
お題:
「原発ないと困るでしょ」って言われたら?
「原発ゼロの主張は無責任」って言われたら?
そのほか、今回のような自由なテーマも歓迎です!
投稿の原稿はメールでeigasai2021★jtgt.info宛てにお送りください。←★を@に置きかえてください。

■次回のニュースレター

トピックは、「福島復興五輪に思う」の予定です。
「0.3k㎡で完全にブロックされています」の嘘に見られるような、
五輪と福島原発事故の似通った構図から、スタッフの寄せ書きと、資料で構成します。

■月1原発映画の会

問い合わせ先  eigasai2021★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
http://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

月1原発映画祭ニュースレター第9号

■ 今月のトピック「処理汚染水 海洋放出ではない処分方法」

前号に続き、福島第一原発処理汚染水の海洋放出についてお届けします。今回は、海洋放出ではない処分方法について、どんな提案があるかをまとめてみました。
(前号の記事はこちら http://www.jtgt.info/?q=node/3272

◆2018年8月に「多核種除去設備等処理水の取扱いに係る説明・公聴会」が福島県で2回、東京で1回、開かれていました。

https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/taka...
この公聴会参加者の「意見当日表明する意見の概要」から、処分方法についての意見を抜き出してみると、次のような意見がありました。(①②については、後で詳細を示します)

・20万トンタンカーに移して放射性物質減衰を待つ
・メガフロートで他の東電敷地に運ぶ
・微生物群(EM)によるトリチウムの除去について、実証実験している(EM 研究機構)
・浄水場などで採用している高分子凝集沈殿処理法で汚染水を処理し、トリチウムは残るが、乾燥工程によりトリチウム入り汚泥にして、小面積で保管可能
・山側からの流入地下水をセメント注入工法で止める
・国際的協力をつのる 
・水素化マグネシウムに転換して保管
・パイプによって福島第二原発の敷地に送り、そこで数十年間の保管
・トリチウム汚染水からトリチウムを分離する方法は現在様々研究されている。(重さで分離、融点で分離、フィルターで分離など)→①
・石油備蓄などに使われる大型タンクに貯蔵して放射性物質の減衰を待つ。セメントと砂でモルタル固化して半地下で保管。汚染水をこれ以上増やさないために、原子炉を水で冷やすのではなく、空冷化にする。40年で廃炉という行程を見直す(原子力市民委員会) →②

◆2019年12月、経産省の委員会が出した資料には、これらの意見に対する回答や、5つの処分方法にしぼって検討した経緯などが書かれています。

・多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 (第16回)資料4 
https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/taka...
P.2~3 5つの処分方法「地層注入」「海洋放出」「水蒸気放出」「水素放出」「地下埋設」を説明
P.8~9 「(3)タンク保管容量の拡大について (4)タンク保管の継続について」で、上記公聴会で出た意見への否定的な回答
P.13 トリチウム分離技術についての回答「ただちに実用化はできない」
P.18~20 5つの処分方法から「海洋放出」「水蒸気放出」にしぼった経緯

◆2020年4~10月には、「関係者のご意見を伺う場」が7回と、「書面によるご意見の募集(パブコメ)」が行われました。

・多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場 及び 書面による御意見の募集について
https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/taka...
「御意見を伺う場」の議事録はこの中に紹介されており、前出公聴会時と同様に提案がいくつもなされています。

「パブコメ」(提出数4011件)については以下に結果が公開されています。
・多核種除去設備等処理水の取扱いに関する書面での意見募集の結果について(2021/4/13)
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000218009

◆そして2021年4月唐突に、政府は「薄めて海洋放出」の方針を決定しました。原子力規制委員会委員長も「海洋放出は、ほとんど唯一の選択肢」と言っていますが、本当にそうなのでしょうか? ほかの処分方法について探ってみました。

●前出① 汚染水からトリチウムを分離する技術について

・近畿大学:汚染水からトリチウム水を取り除く技術を開発 東日本大震災の復興支援プロジェクトから生まれた汚染水対策(2018/6/27)
https://www.kindai.ac.jp/news-pr/news-release/2018/06/012947.html

2020年10月にトリチウムを分離する技術は、読売テレビで放映されました。次のページに放映内容や、近畿大学原子力研究所の山西弘城所長へのインタビューが記載されています。

・読売テレビ:【特集】2022年夏に“期限“「先送りできない」福島第一原発「処理水」問題 放射性物質トリチウム除去の新技術から見える問題の“本質“とは
https://www.ytv.co.jp/wakeup/specials/archive/page_4dkouh8h057wk687.html

政府の検討会議は2015年当時の技術を元に処理汚染水の処分方法を検討しています。その後に開発されたこのような優れた技術が検討の候補にも登らないのは、政府の検討はお粗末と言えるでしょう。
東京新聞「こちら特報部」(2021/4/14付)で、「近畿大が更なる研究のために政府系の補助金を申請したが審査を通らなかったこと、福島第一原発敷地内で試験が行えないかを東電に打診したが許可されなかったこと」が報道されました。

●前出②「大型タンク貯留」または「モルタル固化」し、合わせて「原子炉を空冷化し、廃炉行程は見直す」

技術者や研究者も参加する「原子力市民委員会」による提案です。
「大型タンク貯留案」とは・・・ドーム型屋根、水封ベント付きの大型タンクを建設。建設場所としては、福島第一原発敷地内の7・8号機建設予定地や、土捨て場など。大型タンクは石油備蓄などに使われており、多くの実績をもつ。ドーム型屋根を採用すれば、 雨水混入の心配はない。防液堤も設置する。
「モルタル固化処分案」とは・・・アメリカのサバンナリバー核施設の汚染水処分でも用いられた実績がある。処理汚染水をセメントと砂でモルタル化し、半地下の状態で保管する。

・原子力市民委員会(CCNE)連続ウェビナー 第1回(2020/10/22)
「福島第一汚染水の海洋放出は避けられる 再考すべき現実的な選択肢」
http://www.ccnejapan.com/?p=11570
処分方法について、40:00あたりから「現実的な選択肢~大型タンクによる保管継続とモルタル固化案について」(川井康郎氏)で詳しく説明されています。
資料はこちら http://www.ccnejapan.com/wp-content/2020-10-22_CCNE_Kawai.pdf 

なお、この動画は「デブリ取り出しを前提とした廃炉ロードマップの虚構性を追及する」シリーズの1回目で、2回目以降の動画もこちらから見ることができます。
http://www.ccnejapan.com/?page_id=11636

FoE Japan(2021/4/13の声明)によれば、「ALPS小委員会の報告書には、東電が一方的に、大型タンク保管案を否定する見解のみが記され、また、一度たりとも、提案を行った原子力市民委員会に対するヒアリングや議論等は実施されなかった」とのことです。

●事故原発の周囲に堀を作り、地下水などが流入しない「乾いた島」にして減衰を待つ案

(元原子力技術者の佐藤暁氏)

・東京新聞:福島第一廃炉「乾いた島」構想、デブリ除去先送り 専門家提案(2021/5/2)
https://bit.ly/3v2Xbl9

記事の最後に「提案したが採用されていない」と書かれています。

●建屋外壁部の完全止水により、新規汚染水発生を防止(山本拓 自民党衆議院議員)

・山本拓公式HP:菅内閣総理大臣が決断した2年後の海洋放出よりも、2年以内の建屋外壁部の完全止水工事を完了させることが国民にとって一番得策です!(2021/4/28)
http://yamamototaku.jp/article/shisui/

詳しい情報は、こちらの動画と資料にあります。
・【動画・報告書・公開資料】第2回『自民党 東京電力福島第一原子力発電所処理水等政策勉強会』(2021/5/17公開)
http://yamamototaku.jp/article/20210513houkoku/

山本氏は福井県選出議員で、原子力推進派を公言しています。「今後も原子力が必要と思うからこそ、福島事故の後始末をガラス張りでしっかり進めなければ、国民は原子力の利用に納得しない」と発言しています。これからも原発を使い続けるという山本議員の主張にはまったく賛成できませんが、経産省や東電に物申す姿勢は本物だと思いました。自民党の中から出てきた提案に政府はどう対応するのでしょうか。

*以上、キャッチすることのできた処分方法を列挙してみました。
共通するのはまず、これ以上汚染水を増やさない(空冷化にしろ、水冷化にしろ、山側からの地下水を遮断して閉じた空間で冷やし続ける)ことだと思います。すでにたまっている処理汚染水については、トリチウムの半減期が12年と比較的短いことも踏まえ、安全に保管減衰させたり、分離して量を減らしたりできるのではないでしょうか。政府は処理汚染水の海洋放出を撤回し、国内外、研究者、技術者、企業などの知見を柔軟に取り入れて検討するべきで、いくつかの方法を組み合わせることもできると思います。
これからも、汚染水問題だけでなく事故原発の後始末について(廃炉とは何かということも含め)関心を持ち続けていこうと思います。(文責:小林)

■ 自分の言葉で伝えよう 投稿募集!

*今回の「処理汚染水の海洋放出」についてご意見・情報を募集します!
分量は200字程度で、名前/ペンネーム、住んでいる地名などは投稿された方の任意とします。投稿の原稿はメールで eigasai2021★jtgt.info 宛にお送りください。 ←★を@に置きかえてください。

■ 一行ニュース

・OurPlanet-TV:学校の「同意書」回収打ち切り〜福島県甲状腺検査(2021/5/14)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2569

・Newsweek日本版:チェルノブイリで再び核反応くすぶる 中性子線量が上昇中(2021/5/21)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/05/post-96333_1.php

・読売新聞:関電美浜原発3号機、6月23日に再稼働の見通し…国内初の40年超運転に(2021/5/21)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210521-OYT1T50232/

・朝日新聞:原発「建て替え・新増設を」 エネ計画改定に自民提言案(2021/5/25)
https://www.asahi.com/articles/ASP5T6GZ8P5TULFA00K.html

・朝日新聞:再生エネ新市場、11月にも試験運用 脱炭素を支援(2021/5/31)
https://www.asahi.com/articles/ASP5Z76BHP5XULFA03K.html?iref=comtop_7_06

■ インフォメーション

・新たな「原発いらない金曜行動」が始まります!
首相官邸前 6月18日(金)18時30分より19時45分(毎月第3金曜日)
ぜひご参加下さい。 主催:(仮名)「原発いらない金曜行動」実行委員会
http://www.labornetjp.org/news/2021/1622125209931staff01

・安倍晋三前首相の政権を検証する映画『2887』の完成記念試写会、6月21日(月)憲政記念館にて
https://www.2887web.com/ (下部に申し込み方法あります)

■ 次回のニュースレター

次回は「エネルギーの民主化」について扱う予定です。
*ニュースレターのバックナンバーはこちらから
http://www.jtgt.info/?q=taxonomy/term/21

■ 月1原発映画の会

問い合わせ先 eigasai2021★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
http://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

月1原発映画祭ニュースレター第8号

■ 今月のトピック「処理汚染水の海洋放出について」

前回のニュースレターでは別のテーマを予告していましたが、政府が2021年4月13日に関係閣僚会議にて福島第一原子力発電所の敷地内に溜まり続けるトリチウムなどの放射性物質を含む処理汚染水を海洋放出処分する計画を承認したことを受け、急遽こちらを今回のニュースレターのテーマとして取り上げました。

◆ 処理汚染水とは

東日本大震災の津波による炉心溶融事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所では、燃料デブリに触れた雨水や地下水などの高濃度の放射性物質に汚染された水が1日140トンのペースで発生し続けています。

これらの汚染水は、ALPS(アルプス:多核種除去設備)という装置によって主な放射性物質が取り除かれ処理汚染水となりますが、装置では除去できない放射性物質のトリチウム(三重水素)が含まれているとされています。

この処理汚染水は、現在は福島第一原子力発電所の敷地内に設置された1000基ほどのタンクに保存されており、その量は約125万トンに及びます。福島第一原子力発電所の敷地内にはタンクを新たに設置する土地が底をついているため、2022年にはこのタンクは満杯となる見込みです。

このニュースレター内では処理水という名称は使用せず「処理汚染水」という呼び方をします。

◆政府が決定した基本方針

今回の政府が決定した基本方針をまとめると次のようになります。

・処理済みの汚染水は2年後を目処に海洋放出
・放出時は海水で100倍以上に希釈する(国の基準値の1/40程度、世界保健機関の飲料水ガイドラインの1/7程度にトリチウムの濃度を薄める)
・1年間に放出するトリチウムの量が事故前に福島第一原子力発電所で設定していた目安を下回るようにする
・漁場や海水浴場でトリチウムのモニタリングを行う
・東電が風評被害の実態に合った賠償をする
・風評被害対策などの関係閣僚会議を設置する

このニュースは数多くのメディアが一斉に国内外に報道したので、ご存じの方も多いと思います。

・NHK:トリチウムなど含む処理水 薄めて海洋放出の方針決定 政府 (2021年4月13日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210413/k10012971161000.html

・日経:原発処理水の海洋放出決定 2年後めど、100倍以上に希釈 (2021年4月13日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA12CGP0S1A410C2000000/

◆ 政府の決定に対しての反発

この決定に対して漁業団体に加え、中国、韓国などの周辺国が強く反発しています。

・産経:処理水放出「到底容認できず、強く抗議」 全漁連会長が声明(2021年4月13日)
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210413/mca2104131106012-n1.htm

・朝日新聞:「海は日本のゴミ箱ではない」 中国、処理水放出を批判(2021年4月14日)
https://www.asahi.com/articles/ASP4G6VDBP4GUHBI022.html

・Newsweek:文在寅、福島第1原発の処理水海洋放出に「待った」 国際海洋法裁判所への提訴検討を指示(2021年4月14日)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/04/1-187.php

2015年に東電は処理水については地元及び全国の漁業関係者の理解なしにはいかなる処分も行わないと約束していましたが、今回の政府の決定はこの約束を反故にしたことになります。

・時事:漁業者理解、重い課題 東電社長、約束順守明言―原発処理水(2021年4月19日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041800432&g=eco

◆ タンクの中身

政府は処理汚染水にはトリチウムしか放射性物質は含まれていないという説明をしていますが、実は、2018年8月にトリチウム以外の基準値超の放射性物質検出とメディアで報じられていました。

・西日本新聞:基準値超の放射性物質検出、福島 トリチウム以外、長寿命も(2018年8月19日)
https://www.nishinippon.co.jp/item/o/442386/

・FOOCOM:おそまつだったトリチウム水処理の公聴会 トリチウムしか残らない前提崩れる(2018年9月5日)
https://foocom.net/column/shirai/17224/

政府はトリチウム以外は問題にならないという前提で説明していますが、この前提がそもそも間違っていることが判ります。次のNewsweekの報道は、このポイントについて鋭く切り込んで指摘しています。

・Newsweek:原発処理水の海洋放出「トリチウム水だから安全」の二重の欺瞞(2021年4月16日)
https://www.newsweekjapan.jp/fujisaki/2021/04/post-7.php

以下引用:
────────────────────
汚染水の海洋放出が決定された同日、経済産業省はALPS処理水の定義を変更し、「トリチウム以外の核種について、環境放出の際の規制基準を満たす水」のみを「ALPS処理水」と呼称することを発表した。ということは現在、基準値を超える核種が検出されている汚染水は「ALPS処理水」ではない。また、「規制基準」をクリアする方法を、「2次処理や希釈」と表現しており、二次処理を経ずとも希釈により基準値を下回ればそれでOKとしているとも解釈できる。少なくともこうした先行き不透明な状況で、「海洋放出されるのはどこの国も流しているトリチウム水だから問題ない」と説明するのは不正確だし、「捕らぬ狸の皮算用」でしかないだろう。
────────────────────

◆ FoE Japanの処理汚染水の海洋放出決定への抗議声明

国際環境NGOであるFoE Japanの声明は状況説明や論点がしっかりと整理された内容となっています。ぜひご覧ください。

・FoE Japan声明:処理汚染水の海洋放出決定に抗議する
https://www.foejapan.org/energy/fukushima/210413.html

次の動画は、FoE Japan製作の汚染水の海洋放出に対する福島の漁師たちの言葉を綴ったものです。

・福島ミエルカプロジェクト:福島の漁師たちー『汚染水』を放出しないで
https://www.youtube.com/watch?v=FdUvwSV4XP8

福島の漁師の状況については次の月1原発映画祭でも取り上げました。

2018年5月13日(日) 第60回 月1原発映画祭/交流カフェ 『新地町の漁師たち』
上映+山田徹監督トーク
http://www.jtgt.info/?q=node/2138

◆ 政府・東電のイメージ戦略→新たな安全神話

政府は処理汚染水という呼び方をせず「処理水」という名称を使用し、放射性物質で汚染されているというイメージの打ち消しにやっきになっています。前述の政府によるトリチウム以外は問題にならないという前提についても言葉巧みに議論をすり替える一つのイメージ戦略でしょう。処理汚染水の海洋放出では放出される放射性物質の量がそもそもの問題なのに、環境基準を引き合いに海水で薄めた処理汚染水の濃度に議論を差しかえている点もあまりにも不自然です。

処理汚染水にはALPSでは取り切れなかった放射性物質のトリチウムが含まれていますが、復興庁はトリチウムはどこにでもあり、健康への心配はなく、大幅に薄めて海に流すから安全であるとの安全キャンペーンを繰り広げています。復興庁は電通に3億700万円で福島復興に関するPRを発注しているとのことですが、今回その一環としてゆるキャラを使ってトリチウムの安全性に関するPRを始めたものの、翌日には批判を受けてチラシや動画の公開を休止しました。

・東京新聞:「トリチウム」がゆるキャラに? 復興庁「親しみやすいように」原発汚染処理水の安全PR(2021年4月13日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/97830

・東京新聞:復興庁の「トリチウム」キャラ、公開中止 原発処理水の安全性PRに批判噴出(2021年4月14日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/98124

・復興庁がトリチウムをゆるキャラにして紹介したけど消した動画
https://www.youtube.com/watch?v=pITmQdR5PBE

今回、中国や韓国が処理汚染水の海洋放出に反発したことに政府寄りのメディアがコメント記事を繰り広げたのも一つのプロパガンダのように映ります。

・プレジデント:「原発処理水の海洋放出」に反発する野党は、中国や韓国よりレベルが低い(2021年4月16日)
https://president.jp/articles/-/45203?page=1

このような政府・東電のイメージ戦略・プロパガンダは新たな安全神話を作り上げ国民の批判をかわし、思考停止に追い込もうとする狙いがあるように思います。

今回の政府の発表直後に私自身一瞬、処理汚染水の海洋放出についての政府や東電のイメージ戦略を鵜呑みにしかけてしまいました。しかし、ふと疑問を感じて掘り下げて調べてみたところ、芋づる式におかしな点が見えてきたのが今回のレポートの発端です。イメージ戦略・プロパガンダによって、目を曇らせない、自分の目と頭で問題を調べて理解する姿勢が重要なのだと思います。

なお、処理汚染水の処分方法については様々な対案がありますが、次回のニュースレターではこれについて取り上げる予定です。
(文責:工藤智行)

■ オンライン・カフェ 自分の言葉で伝えよう 投稿募集!

*このコーナーでは原発に関する投稿を募集します。「原発ないと困るでしょ」「原発ゼロの主張は無責任」と言われたらあなたはどう答えますか? あるいは、今回のトピックや下記の一行ニュースなどに対する意見、映画や本の紹介などを、200字程度でお願いします。名前/ペンネーム、住んでいる地名などは投稿された方の任意とします。月1原発映画祭の「交流カフェ」のつもりでお気軽に。
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■ 一行ニュース

・朝日新聞:核ごみ処分場の誘致、再び論争に 鹿児島・南大隅町長選(2021年4月10日)
https://www.asahi.com/articles/ASP4B61MFP49TIPE00S.html
(核ごみ処分場の誘致を主張した候補者は落選しました)

・朝日新聞:「核のごみ」寿都町の住民対話が紛糾(2021年4月15日)
https://www.asahi.com/articles/ASP4H62LDP4HIIPE002.html?iref=pc_extlink

・NHK:自民 議員連盟 原発の新設や増設求める提言案まとめる(2021年4月23日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210423/k10012991801000.html?utm_int=n...

・NHK:運転開始から40年超の原発の運転 福井県同意 関電が再稼働へ(2021年4月28日) 
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210428/k10013002301000.html

■ インフォメーション

・ドキュメンタリー映画『シロウオ〜原発立地を断念させた町』 YouTubeにて公開されました。(2013年制作・かさこ監督)
https://www.youtube.com/watch?v=K78YLgRCkrs

・青木美希さん(朝日新聞、ジャーナリスト)『いないことにされる私たち』展 クレヨンハウス東京店3Fにて、5月31日まで開催されています。
https://www.crayonhouse.co.jp/shop/pg/1tk05-210420

■ 次回のニュースレター

次回のトピックは「処理汚染水の海洋放出について その2」の予定です。
*ニュースレターのバックナンバーはこちらから
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■ 月1原発映画の会

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月1原発映画祭ニュースレター第7号

■ 今月のトピック「映画で見るチェルノブイリ」

4月26日でチェルノブイリ原発事故から35年となります。そこで今月は、スタッフが選んだチェルノブイリ関連の映画を、それぞれのスタッフのコメントと共に紹介します。

●『子どもたちの夏 チェルノブイリと福島』2011年12月公開 監督:田野隆太郎


福島の原発事故から半年後にチェルノブイリと福島の様子を現地取材したドキュメンタリーです。
チェルノブイリでは当局からの圧力で事故後の避難が遅れ、多くの子どもが甲状腺ガンを発症しました。甲状腺ガンの手術を受けた女性へのインタビューでは、今は2人の子どもの母親になっており、2人がとても健康であることに感謝し、将来を前向きに捉えた発言をしていたのが印象的でした。しかし時々見せる表情からは、この発言が空元気であり、実は不安を感じ続けているようにも映ります。
原発事故から2ヶ月後に避難先から福島のいわきに戻ってきた、はるなちゃんのお母さんは次のように語ります。「何も対策が取られていなくて、教育の現場というのは、子どもの命を守ってくれる場所だと思っていた。そういう対策がされていないことにすごく驚きました。」
はるなちゃんは、子どもを守るネットワークと地域の人たちによって除染された公園で、事故後始めて公園で遊びます。無邪気に遊ぶはるなちゃんの姿から、本来ならごく当たり前の日常が、大人の身勝手さで当たり前ではなくなった様子を感じました。
チェルノブイリと福島に共通しているのは、どちらも被害を少なく見せようとしたり、何もしようとしない当局の圧力や姿勢です。子どもがその一番の犠牲となっている状況が伝わってきます。

・Amazon prime (会員は無料)
https://www.amazon.co.jp/dp/B08CSVZPZ2?tag=norikae0d-22&linkCode=osi&th=...

・U-NEXT (会員は無料)
https://www.video.unext.jp/title/SID0049559?cid=D33658&rid=SID0049559&ad...

●『Dear Fukushima, チェルノブイリからの手紙』

監督・脚本・撮影・制作:大竹研吾/2012年/75分/ロシア、ウクライナ

チェルノブイリに今後の福島への答えを探そうと、現地で事故当時の作業員や元原発所長、一般市民等を2012年に取材したドキュメンタリー。なかでもチェルノブイリの北東50キロに建設された代替都市、スラブチチに暮らす人たちの証言が興味深い。人口2万5千人の住民の半数近くがチェルノブイリ原発で働いているが、手厚い福祉政策のためか他の地域から新たに移住してきた若い世代も多く、活気のある都市に成長、その姿を福島への一つの回答として示す。映画の中で、チェルノブイリ事故経験者はみな口々に、福島に向けて励ましや助言を語っている。10年後の今の日本を彼らはどう見ているだろうか?

・視聴方法:amazon prime (レンタル330円他) 。DVD 5,280円
https://www.amazon.co.jp/DearFukushima-%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83...

●『チェルノブイリ・28年目の子どもたち』2014年公開 制作:白石草(OurPlanet-TV)


第33回月1原発映画祭で上映し、白石草さんにもゲストに来ていただいた映画です。
取材地は、チェルノブイリから140㎞西にあるウクライナのコロステン市。7年前の映像ですが今回見直して改めて感じたのは、日本政府が福島原発事故の被害を小さく見せようとするあまり、ひとりひとりの(特に子どもたちの)被ばく状況などにまったく向き合わず、対策をたてていないということでした。映画に登場する「チェルノブイリ法」「保養」「個人の被ばく線量管理とデータベース化」などは、日本では今だに制度がなく、「健康検査」は縮小されようとしています。なぜ日本は現実を認めて対策を取ることができないのでしょうか。

・Youtubeにて無料公開
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node%2F1765
・映像報告に盛り込めなかった重要ポイントのまとめ
http://www.ourplanet-tv.org/files/QAsheet.pdf
・月1原発映画祭での白石さんのトーク(2015年1月)はこちらから
http://www.jtgt.info/?q=node/699

●『小さき声のカノン―選択する人々』 監督:鎌仲ひとみ/2015年/119分/日本


「放射線量が高くなってもそのまま住み続けて健康に影響はない」と日本政府は公式に言い続けている。チェルノブイリの原発事故でも、有名な教授の「ここで生活して大丈夫。何も心配しないように」との発言が社会全体に拡散され人々は安心した。しかし実際には10年以上経って甲状腺がんが急増し、子どもたちはその他にもさまざまな疾患に苦しんでいる。この映画は、子どもたちを原発事故による被曝から守ろうとする母親たちを描く。完成当時も見たけれど、今回再鑑賞して、人間の記憶はどんどん薄れていくと実感。原発事故が何を引き起こすか肝に銘じた。月1原発映画祭では2016年7月、8月と、この映画と並行して作られた鎌仲監督のミニドキュメンタリー「カノンだより」で、「被曝と保養」をテーマに現地の当事者たちからの声を聞いた。(8月にはゲストの鎌仲監督からお話をうかがいました)

・視聴方法:Vimeoで800円で視聴。DVD 4,950円。
https://vimeo.com/ondemand/canon
・チェルノブイリツアーなども含め現地からの声をレポートした『カノンだより』のDVDも上映権付きで購入可能(Vol.1〜Vol.3は2,200円、Vol.4は3,300円)
http://shop.kamanaka.com/?pid=64990121

●『サマショール 遺言 第六章』2020年3月公開 監督:豊田直巳・野田雅也


福島原発事故直後から飯舘村の酪農家、長谷川健一さん、長谷川花子さん夫妻を追う。捨てられる牛乳、殺処分される牛たち、そして、隣町・相馬市の酪農仲間、菅野重清の自殺。2014年に『遺言 原発さえなければ』として一章から五章まで3時間45分が一挙公開されたが、その後の第六章(113分)で長谷川健一さんはチェルノブイリに旅をする。30年たっても村は廃墟のままで、「自主帰還者」という意味の「サマショール」たちと出会う。村に帰るべきか否か、村は復興するのか、再び酪農はできるのか。苦悩し続ける長谷川さんだったが、チェルノブイリへの旅で未来の飯館村を見、サマショールたちに自分を重ね決意する。人が住めるようになるのは100年か、200年か、もっと先かもしれない。その日のために、長谷川さんは、飯館村で誰にも食べさせるあてのない蕎麦を育てる。月1原発映画祭では2017年1月8日、2月5日、3月5日と3分割して上映。第六章は2020年3月に1か月弱上映されて延期に。今年3月に全国上映され、5月からは各地で自主上映が始まる。

・月1原発映画祭での上映(2017年)
1月8日: http://www.jtgt.info/?q=node/1536 http://www.jtgt.info/?q=node/1630
2月5日: http://www.jtgt.info/?q=node/1598 http://www.jtgt.info/?q=node/1968
3月5日: http://www.jtgt.info/?q=node/1648
・『サマショール 遺言 第六章』 https://www.yuigon-fukushima.com/blank-1

*以上、チェルノブイリ関連の映画を紹介させていただきました。月1原発映画祭では上映のあとに、映画の感想などを語り合えるカフェを開いてきました。コロナウィルスの影響が無くなり上映会を開催できるようになったら、また皆さんと映画を見て語り合いたいと思っています。今回ご紹介した映画への感想などがあれば、eigasai2021★jtgt.infoまでどうぞお寄せください。←★を@に置きかえてください。
(文責:小林晶子)

■ 超ショートコラム「自分の言葉で答えよう」

「原発ないと困るでしょ」って言われたら?→
月1原発映画祭ニュースレター第6号で双葉町から避難され、今は埼玉県で農業をしていらっしゃる鵜沼久恵さんのことを知った。「自然災害と原発事故は違う」と話される鵠沼さん、その笑顔に諦念を感じた。
3月6日のEテレ「原発事故“最悪のシナリオ”〜そのとき誰が命を懸けるのか〜」を見て、事故当時、国の存立に響きかねない最悪の事態が起こり得る可能性があったと知った。東京に住む私達が避難せずに済んだのは偶然だ、と。原発に頼らないエネルギー施策の実現に国が全力を注ぎ、それを私達が不便があってもサポートする、それが国難を遠ざけるのではないか。(東京都・t-collage)

*次回からこのコーナーは「オンライン・カフェ 自分の言葉で伝えよう」として、原発に関する投稿を募集します。「原発ないと困るでしょ」「原発ゼロの主張は無責任」と言われたらあなたはどう答えますか? あるいは、下記の一行ニュースなどに対する意見、映画や本の紹介などを、200字程度でお願いします。名前/ペンネーム、住んでいる地名などは投稿された方の任意とします。月1原発映画祭の「交流カフェ」のつもりでお気軽に。
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■一行ニュース

・NHK 柏崎刈羽原発 長期間テロ対策に不備 「最も深刻レベル」規制委 (2021/3/16)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210316/k10012918371000.html

・東電に是正措置命令へ 規制委、柏崎刈羽テロ対策不備で(2021/3/24)
https://www.asahi.com/articles/ASP3S4T21P3RULBJ016.html

・東海第二原発 再稼働認めず 水戸地裁判決(2021/3/18)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210318/k10012921701000.html

・国に賠償命令、8件目 いわき市の原発避難訴訟―福島地裁支部(2021/3/26)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021032601132&g=soc

・事故を起こしたのは東電なのに…「顔」も主体性も見えぬまま 原発処理水の海洋放出方針決定へ(2021/4/8)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/96486

■ インフォメーション

・ポレポレ東中野にて 特集上映《35年目のチェルノブイリ》 4月17日~30日
https://pole2.co.jp/coming/f9a7d487-b497-4852-bd5a-383bb39afbb6
本橋成一監督の新作『人間が汚した土地だろう、どこへ行けというのか』など多数上映

・映画『東京原発』 4月23日(金)23:59までGYAO!にて無料配信されています。
https://gyao.yahoo.co.jp/episode/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3...

■ 次回のニュースレター

次回のトピックは「小型家庭内太陽光発電のススメ」の予定です。
*ニュースレターのバックナンバーはこちらから
http://www.jtgt.info/?q=taxonomy/term/21

■ 月1原発映画の会

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月1原発映画祭ニュースレター第6号

■ 今月のトピック「原発避難者の今」

東日本大震災/東電福島第一原発事故から10年目の今月は、福島県の帰還困難区域と避難指示区域外の避難者の方々の現状を取り上げて、その一端をご紹介します。

【1】双葉町から避難した鵜沼久恵さんに聞く、この10年のこと、そしてこれから

事故原発の立地地域である双葉町は、事故当時の人口約7000人のうち1200人あまりが約250km離れた埼玉県加須市の旧騎西高校校舎へ町役場ごと集団避難、地域社会丸ごとの移転として注目されました。
震災前に双葉町で酪農を営んでいた鵜沼久恵さんは、この避難所で4か月近く過ごしたのちに借上げ住宅(福島県が借り上げた民間住宅)に移り、農地を借りて野菜作りを始めました。
その日々を追ったドキュメンタリー映画『原発の町を追われて 第3部 双葉町・ある牛飼いの記録』(堀切さとみ監督/2017年)を月1原発映画祭(@谷中の家)で上映し、鵜沼さんご本人にもゲストとして話をしていただいたのが3年前の2018年3月11日でした。

●原発の町を追われて 公式サイトより https://genpatufutaba.com/?p=1775

● 第59回 月1原発映画祭 http://www.jtgt.info/?q=node/2081

堀切さんは今も双葉町と避難した町民の取材を続けられています。鵜沼さんのところへもたびたび足を運んでいると聞いて、今回インタビューをお願いしました。できたての動画をお届けします。
     ↓ ↓ ↓
【双葉町から避難して10年~鵜沼久江さんに聞く】
(33分 2021/1/30 聞き手:堀切さとみ)
https://youtu.be/59VB2p36Rxg

双葉町はJR双葉駅周辺を「特定復興再生拠点区域」として除染・整備を進めています。
● 双葉町・特定復興再生拠点区域復興再生計画の概要
https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-4/saiseikyote...

昨年2020年3月4日にその一部を避難指示解除し(今年3月25日スタート予定のオリンピック聖火リレーのコースにも入っている)、来年3月には区域全体の避難指示を解除することになっています。
しかし、避難指示が解除されると、その地域からの避難を続ける人は「区域外避難者」となり、それまでの支援は終了になります。事故後に避難区域となった町村では、2014年から2020年にかけて徐々に避難指示解除が進められてきましたが、解除によって、就労補償金や住宅支援、慰謝料などがすべて打ち切られました。
「復興」を加速させて町民に帰還を促す施策が進むなか、「これからがもっと苦しくなる」と鵜沼さんはインタビューの終盤でおっしゃっています。

〈参考〉
● 「福島 双葉町 避難指示一部解除1年 どう取り戻す町のにぎわい」
(NHK NEWS WEB 2021/3/5)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210304/k10012896961000.html

● 「福島県双葉町 空から見た復興状況」
(双葉町公式チャンネル 2020/11/5撮影)
https://www.youtube.com/watch?v=dtbcijDidbs

【2】区域外避難者への住宅支援打ち切りで起こっていること

 
避難指示区域外から避難した(いわゆる「自主避難者」と呼ばれる)福島県民に対する国と福島県の唯一の支援は、住宅の無償提供でした。しかしこれが2017年3月で終了して区域外避難者は住まいを追われることになり、その後2年間は民間住宅の家賃補助(1年目は月3万円、2年目は月2万円補助、ただし所得制限あり)などの対策がとられたものの、2019年4月からはすべての支援が打ち切られました。
月1原発映画祭では打ち切り目前の2019年3月17日に『ふたつの故郷を生きる』(中川あゆみ監督)を上映、郡山から避難した松本徳子さんにお話をうかがっています。
● 第65回 月1原発映画祭 http://www.jtgt.info/?q=node/2380

今回、都内の原発避難者の会「むさしのスマイル」や支援団体の事務局を務める山根昭平さんに、この間の事情をうかがいました。
「支援打ち切り後は国も福島県も区域外避難者の調査をしなくなったために、その後の避難者の生活状況が見えなくなってしまった。
一方で、国家公務員住宅に入居している避難者が直面している問題がある。福島県は入居者に対して、2017年4月以降は公務員と同等の家賃を支払えば2年間まで住めるという特例を設けたが、2019年4月以降も退去しない世帯に損害金として2倍の家賃を請求した。契約継続を拒否されて払おうにも払えない、引っ越したくても引っ越せない様々な事情を抱えている県民に対して、福島県は訴訟を起こすという通告までしている。被害者の福島県が加害者の国と一緒になって県民を追い詰めている構図だ」
「10年たっても、まだこんなことが起こっていることを知っていてほしい。原発政策の矛盾がここにも現れている。住宅無償提供は〈災害救助法〉に基づいているが、入り口で住宅提供だけして、出口のところで救えていない。そこから出るための支援がまったくできていない。
そもそも、この法律は自然災害直後の応急的な救助として定められたものなので、原発災害には対応しきれない。放射能汚染という長期にわたる被害に対応できる法律をつくる必要がある」(2021/3/8 聞き書き)

〈参考〉
山根さんの話に出てくる国家公務員住宅の問題に関しては、次の2つの取材記事をぜひご覧ください。背景と現状がよくわかります。

● “湾岸タワマン”から福島の避難者が見た風景 ~東雲住宅は今
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210308/k10012903751000.html?utm_int=news_contents_tokushu_001 (NHK NEWS WEB 2021/3/8)
東京・江東区にある36階建ての公務員宿舎「東雲住宅」でこの10年に何が起こっていたのか、入居者、元入居者を丹念に取材している。

● 福島・原発事故の自主避難者をめぐって(取材:テレビユー福島 木田修作記者)
https://note.com/tbsnews/n/na84f687d2b23
国家公務員住宅の提供打ち切りをめぐる国の関与を明らかにした一連の取材:経緯、当事者への取材、支援者たちの動き、財務省と福島県との打ち合わせの記録のスクープなどが、わかりやすくまとめられている。

● 福島の避難者集計に3万人以上の差 県と市町村、手法ばらばら
https://onl.tw/sCmTp66 河北新報(2021/1/31)
福島県が現在約3万6千人としているのに対し、県内の各自治体集計の総数は少なくとも6万7千人超に上る。集計に3万人以上の差があるのは、県と市町村で集計方法がまちまちなため。

原発避難の問題の根は放射能汚染にあり、そもそも原発をなくすことが先決であることは、この10年を振り返れば(振り返らなくても)自明の理でしょう。
いまだに先が見えないと語る避難中の方がいて、それでも原発再稼働が進んでいるという現実をまずは受け止めて、これからのことを考える10年目の日としたいと思います。
(文責 植松明子)

■ 超ショートコラム「自分の言葉で答えよう」

「原発ないと困るでしょ」って言われたら?→
東日本大震災が発生する前、日本では54基もの原発が稼働中でした。ところが現在営業運転をしているのは川内と玄海の、3基だけで、原発が発電に占める割合は25%から6%台に大幅ダウンなんですって。2012年には原発が全く稼働していない時期もありましたよね。で、庶民の暮らしは、何か困りましたっけ?(台東区 西川直子)

*「自分の言葉で答えよう」のコーナーでは皆さんからの投稿を募集しています。「原発ないと困るでしょ」「原発ゼロの主張は無責任」などと言われたらあなたはどう答えますか? 200字以内、名前/ペンネーム、住んでいる地名などは投稿された方の任意とします。
投稿の原稿はメールでeigasai2021★jtgt.info宛にお送りください。←★を@に置きかえてください。

■ 1行ニュース

・千葉の原発避難者の集団訴訟 国にも賠償命じる 2審の東京高裁(2021/2/19)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210219/k10012876461000.html

・1、3号機格納容器の水位低下 福島第1原発、地震の影響か(2021/2/19)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021021901167&g=soc

・福島第一水位低下で注水量増へ(2021/3/5)
https://www.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20210305/6050013682.html

・放射線防護の考え方「年1ミリシーベルト」削除へ〜放射線審議会 (OurPlanet-TV 2021/2/26)
http://ourplanet-tv.org/?q=node/2548

・途切れた配管、不十分だった心構え 原発事故から10年(朝日新聞 2021/2/27)
https://www.asahi.com/articles/ASP2W675CP2JULZU022.html

・3号機プール核燃料搬出完了 炉心溶融の建屋で初―2年で566体・福島第1(jiji.com 2021/2/28)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021022800261&g=soc

■ インフォメーション

・「提案型報道チャンネル・ボトムアップ!」開局のためのクラウドファンディング
『恐怖のカウントダウン~東海第二原発を止めたい』(月1原発映画祭で2019年7月14日に上映)の遠藤大輔監督がクラウドファンディングを実施中です。
「提案型ジャーナリズムの動画配信サイト! 開局を支援してください」
https://readyfor.jp/projects/bottomup-ch

・資源エネルギー庁がエネルギー政策の検討にあたって、国民からの意見を募集するべく、「意見箱」を設置しています。
https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommitte...

■ 次回のニュースレター

次回のトピックは「映画でみるチェルノブイリ」の予定です。
*ニュースレターのバックナンバーはこちらから
http://www.jtgt.info/?q=taxonomy/term/21

■ 月1原発映画の会

問い合わせ先  eigasai2021★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
http://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

月1原発映画祭ニュースレター第5号

月1原発映画祭ニュースレター第5号

■今月のトピック「電力会社乗り換えを考える」

2016年から家庭でも電力会社を自分で選択できるようになりました。2011年の福島第一原発事故を経て、原発に頼らない電力供給をと考え、すでに電力会社を乗り換えた方もいらっしゃることでしょう。
月1原発映画祭は、消費者の声をたくさん集めて持続可能な社会に向けてエネルギーの未来を変えていく「パワーシフト」の賛同団体になっています。「パワーシフト」ホームページには、電力会社の紹介や電力会社乗り換え体験談も掲載され、電力会社乗り換えを考えている方の参考になります。

*パワーシフトホームページ〜未来をつくる“でんき”のえらび方

https://power-shift.org

月1原発映画祭ではこれまで2回、「パワーシフト」事務局も務める国際環境NGO FoE Japanの吉田明子さんをゲストにお迎えし、電力会社の選び方をテーマにお話をうかがいました。

*吉田明子さんの「パワーシフト!自然エネルギーを重視する電力会社を選ぼう」の資料はこちら

http://www.jtgt.info/sites/default/files/2018-09-22-2.pdf

さて、今回ニュースレターを担当している阿部は、電力会社乗り換えなきゃと思いながら、怠慢のため行動にうつせていない派でしたが、私にもついに行動のときが訪れました。直接のきっかけは東京都の広報紙で見た「みんなでいっしょに自然の電気」キャンペーンです。「東京都って東京電力の大株主じゃないの? でも電力会社乗り換え応援するんだ」と興味がわき、キャンペーンに応募しました。

*「みんなでいっしょに自然の電気」キャンペーン

https://group-buy.metro.tokyo.lg.jp/energy/shutoken/home

今回が3回目となるこのキャンペーンは、東京都のほか、埼玉県、千葉県、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市の9都県市が連携して行っているものです。キャンペーン事務局がオークションで提示された料金メニュー提案から電力会社を選び、私たち登録者に提示 。見積もり内容を見た上で、実際に切り替えるかどうか決めるという仕組みです。なお、電力会社がオークションに参加するためには、①提案する料金メニューに、再エネ電気が年間総電力供給量の30%以上を占めること、②CO2排出係数が東京都平均を下回っていることの条件があります。

前回のキャンペーン参加者は約4,800人。今回は2月15日が応募締切ですが、先日、キャンペーン事務局から今回選ばれた電力会社(昨年に続き、ミツウロコグリーンエネルギー)と料金の見積もりの連絡が来ました。納得できたら①自然の電気30%以上プランか、②自然の電気100%プランを選んで、3月1日までに契約するかどうか決めることになっています(この後の経緯は次回以降のニュースレターでご報告します)。

昨今お得な料金プランや特典をセールス文句に乗り換えを勧められることも増えています。また今季の豪雪で、やっぱり原発がないと電気が不足する、あるいは電気代が高くなるなどの誤った知識をインプットするような声も大きくなっています。しかし原発を推進したい人たちの意見にすぎない可能性もあるので、きちんと検証していくことが必要です。パワーシフトでは電力市場価格(私たちが支払う電気代自体ではありません)が高騰していた一時期「切り替えは待って」としていましたが、1月最終週からの価格安定を見て再び「切り替え」を呼びかけています。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

*電力市場価格高騰とパワーシフトについて

https://power-shift.org/210122_jepx/
電力会社乗り換えについて前出・FoE Japanの吉田明子さんからコメントをいただきました。
「電力自由化からまもなく5年を迎えます。20%近い人が電気を切り替え、そのなかで自然エネルギーの電気を選びたい、パワーシフトの声も少しずつ大きくなってきています。とくに2020年は若い人たちが気候危機への関心からパワーシフトにも関心を持ち、積極的に発信してくれたことが大きな希望です」

吉田さんは、いま国が行っている「エネルギー基本計画の見直し」について続けます。
「審議会での議論では、『技術を組み合わせて火力発電も使い続ける』『原子力は重要』などの声があがっています。これに対して、環境団体や若者団体などで、エネルギー基本計画見直しに声を上げるプロジェクト『あと4年、未来を守れるのは今』もスタート、署名や意見提出を呼びかけています」

*「あと4年、未来を守れるのは今」プロジェクトはこちら。

http://ato4nen.com

さて、市民電力に関する映画というとなんといっても『シェーナウの想い』。南ドイツのシェーナウという、人口2,500人の小さな町で、住民が原発に依存したくないと自分たちの電力会社を作ってしまうドキュメンタリーです。月1原発映画祭でも何度か見てきましたが、現在、Youtubeで全編視聴できます。
https://www.youtube.com/watch?v=g7FUorP4wAo&feature=emb_title

(文責:阿部)

■ 超ショートコラム「自分の言葉で答えよう」

「原発ないと困るでしょ」って言われたら?→「電力消費は減るし再エネもあるから困りません。むしろいらない放射能が増えるほうが困るでしょ」
「原発ゼロの主張は無責任」って言われたら?→「福島でもどこでも始末ができない放射能を増やすのこそ無責任」         (新宿区・瀬川嘉之)

◉ご寄稿ありがとうございました。この「自分の言葉で答えよう」のコーナーでは皆さんからの投稿を募集しています。「原発ないと困るでしょ」「原発ゼロの主張は無責任」などと言われたらあなたはどう答えますか? 200字以内、名前/ペンネーム、住んでいる地名などは投稿された方の任意とします。
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■ 1行ニュース

1. 関電大飯原発4号機が再起動 設置許可取り消し係争中(2021.1.15)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/80178

2. 原発立地、国の厚い支援延長へ 福島事故後初も議論なし(2021.1.19)
https://www.asahi.com/articles/ASP1L5TBJP1HULZU00J.html

■インフォメーション

1.「黒い雨はどこまで降ったか~気象専門家 増田善信の約束」YouTubeで公開
黒い雨動画作成チームの権上かおるさんから情報提供いただきました。昨年7月広島地裁で、放射能を含んだ「黒い雨」を浴びながら被爆者健康手帳を交付されていなかった人たちに、交付を認める判決が出されました。その判決で採用された調査の経緯を紹介した映画です。福一事故と健康調査の問題に重なることでもあります。ぜひご覧ください。
★動画はこちらから
https://youtu.be/FLVW5Lv1q8s

2. 原発の是非を問う国民投票を描いたフィクション映画『国民の選択』3月5日公開(宮本正樹監督からの情報です)
https://www.kokumin-movie.com/

3. 「3.11福島を忘れない」江古田映画祭開催(2月27日〜3月12日)
https://www.musashi.ac.jp/news/20210119-02.html?fbclid=IwAR30U9OiWP3_uzd...

4. FoE Japan オンラインセミナー開催(事前申し込み制)
・2月14日に10年目の福島(5)—原発事故避難 
https://www.foejapan.org/energy/fukushima/210214.html
・2月23日に10年目の福島(6)—原発事故避難者の生活は?−新潟県による検証が明らかにしたもの
https://www.foejapan.org/energy/fukushima/210223.html

■ 次回のニュースレター

次回のトピックは「原発避難者の今」の予定です。
*ニュースレターのバックナンバーはこちらから
http://www.jtgt.info/?q=taxonomy/term/21

■ 月1原発映画の会

問い合わせ先  eigasai2021★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
http://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

月1原発映画祭ニュースレター第4号

月1原発映画祭ニュースレター第4号

■今月のトピック「原発を止めた裁判官~その理由は~」

「・・・たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている」(2014年5月福井地裁「大飯原発3、4号機運転差止請求訴訟」判決文より)

このような判決を書いた樋口英明裁判官はどんな人なのだろうと思っていたところ、2017年に定年退官された後、各地で講演をされていて、その動画が何本かYouTubeに公開されていることを知りました。直近のものではありませんが、音声や資料画像が一番鮮明と思われる、こちらの動画を紹介します。ぜひご覧ください。

●「樋口英明さん講演:原発の危険性に向き合う裁判官の責任」

主催:老朽原発40年廃炉訴訟市民の会 2019.5.11ウィンク愛知にて(約70分)
https://www.youtube.com/watch?v=0cbq7ac11FY

●レジュメと資料が公開されています。(上記講演時のものではありませんが、基本的な部分は同じです)手元に置くと講演がよりわかりやすくなります。特に「表1」は必見です。

「樋口英明氏の講演会『原発訴訟と裁判官の責任』レジュメです。他の人に原発の危険性を伝える手段としてご活用を‼」
(伊方原発をとめる会HPより 2019.5.29)
http://www.ikata-tomeru.jp/?p=9342
写真下の「190526 樋口英明氏松山講演レジュメ」部分をクリックすると資料が開きます。

●講演に出てきましたが資料のない事柄について、2点補足します。

補足1)想定した耐震基準を超えて原発を襲った5回の地震(44分ころに言及されている)
① 2005年 宮城県沖地震 ➡ 女川原発
② 2007年 能登半島地震 ➡ 志賀原発
③ 2007年 新潟県中越沖地震 ➡ 柏崎刈羽原発
④⑤ 2011年 東北地方太平洋沖地震 ➡ 福島第一原発・女川原発
(参考図書『原発に挑んだ裁判官』より)

補足2)原発を止めることのできる5つの組織、役職(65分ころに言及)
原子力規制委員会/内閣総理大臣/県知事/市町村/裁判所              

講演動画については以上です。

●冒頭で紹介した判決の抜粋(要旨・主文の全文も)は、こちらで読むことができます。


http://adieunpp.com/download4link4/higuchpage/hanketsu_syubun.html
英・中・韓国語などにも翻訳されています。
http://adieunpp.com/download4link4/higuchpage/judgment_eng.html
(どちらも「福井から原発を止める裁判の会」HPより)

●しかし上記の判決は2018年にくつがえされてしまいます。樋口さんが関わったもうひとつの原発訴訟(高浜原発差し止め仮処分)と合わせて、簡単な年表にしました。

http://www.jtgt.info/?q=node/3095
(講演で言及された、山本善彦裁判長の訴訟についても入れました)

11年 3月 福島原発事故
12年 5月 泊原発が定期検査に入り、全国で稼働原発が0に
7月 大飯原発3、4号機が再稼働
11月 地元(と全国の)住民189人が関西電力を相手に「大飯原発運転差し止め」の訴えを福井地裁に起こし、樋口さんが担当の裁判長となる(他2名の裁判官とともに3名の合議体)
13年 7月 新規制基準が定められる
9月 大飯原発3、4号機が定期検査に入る。
樋口さん「もし危険とわかったら再稼働前に差し止めの判決を出さねば、とスピード感を持って審理に臨んだ」
14年 5月 樋口さん、大飯原発運転差し止め判決を出す(普通は5年以上かかる判決を1年半で)
⇒ 関電が控訴
12月 樋口さん、高浜原発3、4号機の運転差し止め仮処分も担当となる
15年 4月 4月1日に名古屋家裁へ異動となるも、「職務代行」制度を使い、前任地・福井地裁で高浜原発運転差し止め仮処分判決を出すことができた
12月 高浜原発運転差し止め仮処分取り消し(福井地裁 林裁判長)
16年 3月 高浜原発再稼働差し止め仮処分(大津地裁 山本裁判長)
⇒ 関電が高裁へ抗告
17年 3月 高浜原発再稼働差し止め仮処分取り消し(大阪地裁 山下裁判長)
樋口さん定年退官
18年 7月 大飯原発運転差し止め認めず(名古屋高裁 金沢支部 内藤裁判長)
20年 12月 大飯原発設置許可を取り消し(大阪地裁 森鍵裁判長)

参考図書『原発に挑んだ裁判官』
脱原発弁護団全国連絡会HP http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/news/20-12-2/
より抜粋して小林まとめ

●福島の事故後、原発差止を認めた裁判はこれだけあります。(脱原発弁護団全国連絡会HP)

http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/news/20-12-2/

そして先月、大阪地裁が、大飯原発設置変更許可の取り消しを認めたのは記憶に新しいニュースです。
https://mainichi.jp/articles/20201204/k00/00m/040/145000c

●もちろん福島事故以前にも、各地で原発に関連するたくさんの裁判が行われていました。

ニュースレター第3号でもご紹介した資料ですが、反対運動についての記述の後に[付録]として【主な原発訴訟】についてわかりやすくまとめられています。
https://ch-gender.jp/wp/?page_id=10773
原子力発電所建設との闘い―立地反対運動と原発訴訟(比較ジェンダー史研究会/富永智津子【年表4】)

●月1原発映画祭では2020年1月、大飯原発のある、福井県おおい町に暮らす人々の暮らしや思いを丁寧に描いた『彼らの原発』を上映しました。

http://www.jtgt.info/?q=node/2565

樋口さんの講演を聞いて何より驚いたのは、耐震設計基準の話でした。本当に怖いです。この地震列島では一日も早く原発を0にしなくてはいけないと改めて思います。
樋口さんはインタビュー(参考図書内)で「専門訴訟ではない。良識と理性の問題だ」と語られています。原発は高度な技術で作られていて一般の市民は手も足も出ないと思ってしまいがちですが、私たちは普通の常識と感覚を持って「原発は要らない」と言い続けていいのだし、まわりにそれを伝え続けていかなければならないと思いました。
樋口さんの判決も高裁でくつがえされてしまったように、今まで裁判所が完全に原発を止め続けたことはありません。が、原発を運転する側の安全神話や矛盾が、判決ごとに少しずつ明らかにされ、原発反対の世論を喚起したり、次の訴訟に影響を与えたりして、原発の運転差し止めを求める原告側は、「負け」ながらも少しずつ「勝ち」続けているのではないかと思いました。 (文責:小林)

●参考図書の紹介

・『原発に挑んだ裁判官』 磯村健太郎・山口栄二 朝日新聞出版

https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21028

・『原発訴訟が社会を変える』 河合弘之 集英社

https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0802-b/

■ 超ショートコラム「自分の言葉で答えよう」

~「原発ないと困るでしょ」って言われたら?~

原発の経済性は、すでに破綻しています。経済性のない未来にすがりつくのではなく、どんどん再生可能エネルギーを実行する時代にとうの昔に入っています。この舵の切り替えは、EU諸国などでは、先進的な取り組みがなされています。エネルギーが足らないという宣伝とともに日本政府が、ただただ原発を捨てられないだけ。「原発なし」ができないのではなく、やらないのです。みなさん騙されないでください。 (権上かおる)

◆ 「自分の言葉で答えよう」への回答募集

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■ 1行ニュース

1.福島に家族で移住なら200万円支給…原発周辺12市町村対象に支援金(2020.12.13)
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20201212-OYT1T50304/?fbclid=IwAR1cUMy...

2.再稼働「環境整備」加速か 東商会頭ら、柏崎刈羽原発に(2020.12.15)
https://www.asahi.com/articles/ASNDG6VX8NDGUOHB001.html

3.寿都町に「核抜き条例」包囲網 核ごみ処分場応募に反発(2020.12.16)
https://www.asahi.com/articles/ASNDH7608NDHIIPE009.html
ニュースレター第2号に寿都町周辺自治体がわかる地図を追加しました。ご覧ください。
http://www.jtgt.info/sites/default/files/2020-12-09-1.pdf

4.日本、汚染水海洋放出の安全性広報に予算5億円策定(2020.12.16)中央日報日本語版
https://japanese.joins.com/JArticle/273440

5.青森・むつ市の核燃料貯蔵施設「共用」を検討、電事連が表明(2020.12.17)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/74881/

6.福島第一、高濃度の汚染部分が判明 廃炉工程見直しか(2020.12.29)
https://www.asahi.com/articles/ASNDY6J6SNDGULBJ013.html

■ 次回のニュースレター

次回のトピックは「電力会社乗り換えを考える」の予定です。

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