2017年10月7日(土) 10月7日平和学会

2017年の夏、NHKはアジア太平洋戦争にかかわる多くのドキュメンタリィ―を
放映しました。
それは日本国憲法が掲げる「専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去する」
という国際公約を反故にしようとする為政者たちの上に、齢(よわい)90歳を越え
る体験者たちがふり下ろした鉄槌のようだった」とも評されています。
問われたのは「人道に対する罪」でした。
作品の上映と制作者の講演・解説を合わせて、以下のような研究会を行います。

日時: 10月7日(土)11時~20時
場所: 大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター
港区麻布台1-11-5 東京麻布台セミナーハウス
地下鉄日比谷線神谷町下車東京タワー方面に歩いて徒歩5分
03-5545-7789
共催:ドキュメンタリー@工房(桜井均:前立正大学教授・元NHKプロデュ
ーサー)

Ⅰ ETV特集「満蒙開拓~女たちの告白~」
講演 NHK名古屋放送局制作部 川惠実ディレクター
関東軍撤退のため棄民された開拓団のなかで何が起こったのか。
ジェンダー、軍隊(関東軍、ソ連軍)そして満州侵略を行なった国家の責任など
が複雑にかかわりあっている、旧満州における戦時性暴力の証言記録です。

Ⅱ ETV特集「原爆と沈黙~長崎浦上の受難~」
講演 NHK第1制作センター文化・福祉番組部 塩田純プロデューサー
渡辺考プロデューサー
72年前の8月9日、原子爆弾が投下された長崎・浦上地区。そこには古くか
ら弾圧を受けてきたカトリック信者、そして被差別部落の人々が暮らしていた。
生き残った被爆者たちは、戦後長きにわたって自身の被爆体験を語らず、沈黙し
てきた。差別があったからである。
しかし、後世に自分たちの体験を伝えようと、近年、重い口を開き始めた。
差別と闘いながら、生き抜いてきた長崎・浦上の人々の戦後を描く。
これまで互いに対立していた被差別部落の被爆者とカトリックの被爆者が、悲惨
な体験の中から“人間宣言”を行ない、手を携えて一歩を踏み出した。その瞬間を
テレビが記録した。
被差別部落出身の中村由一さんは中学生を前に、「この世の中に差別やいじめを
本当になくすことができるか、皆さんどう思うか。私はできると思う」と断言し
た。

Ⅲ NHKスペシャル「731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~」
解説 桜井均 元NHKプロデューサー
1992年、NHKはハバロフスク裁判の記録から731部隊を扱った番組を放送した。
当時は、裁判記録の文字情報が開示されただけだったが、今回はロシアに保存さ
れていた音声データを使用。
731部隊の人体実験に旧帝大などの医学者たちが特別費用を受けて参加していた。
敗戦後、彼らは早々に帰国したが、捕えられた部下たちは、旧ソ連の軍事法廷で
証言。軍医柄沢十三夫の音声証言には、日本の家族に触れる直前に、長い沈黙
(間)があるなど、文字情報からは伝えられない場面も収録されている。
彼は恩赦で帰国直前に、彼の地で自殺したと言われている。
日本学術会議は防衛省の研究委託と大学のあり方について否定的な立場をとって
きたが少数ながら「軍事研究=兵器研究ではない」という認識が根深くある。番
組の最後にこの今日的問題も提起している。

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