公開討論会 みんなで話そう原発都民投票 2012.5.10

本請求の行われた5.10に三軒茶屋で行われた、「公開討論会 みんなで話そう原発都民投票 」についてレポートさせていただきます。

私としては以前からずっと楽しみにしていた、公開討論会。
本来なら、色々な議員が来て、反対意見もがんがん言い合うという会が
理想ですが、なかなかそういうわけにも行かないみたいです。
宮台先生のお話は2回目ですが、前回は時間も短かったし結構理解できないところが
ありました。今回は、今日のタクシーの中で「宮台さんの話は偏差値65以上の人でないと
理解できない」といわれたとのことで、ゆっくりと分かりやすく話してくださったような気がしました。おもしろかったです。

参加者:東京都議会議員 吉田信夫(共)、たぞえ民夫(共)、泉谷つよし(民)、西崎光子(ネ  
      ット)、山内れい子(ネット)、星ひろ子(ネット)
      長野県佐久市市議会議員 小山仁志、滋賀県愛荘町長 村西俊夫
      請求代表者 宮台真司、鳥羽晴美 コーディネータ 今井一、荒木伸子 
※私の席から都議の方のお顔が少し見えずらく、共産党、ネットの都議会議員の発言が
 党の名前になってしまっています。ご了承ください。

●冒頭は世田谷区長 保坂展人氏の挨拶

保坂氏
私は原発都民投票に賛成です
これは民主主義の問題なんです。世界を震撼させるあれだけの大きな事故が起きた今、国民一人ひとりがどうするか考えて、行動するのはとても大切なことです。

●都民投票の本義とは

宮台氏
そうですね。都民投票は、民主主義の本義を取り戻すことが目的です。民主主義を理解していない方も一部にあって、住民投票に対する誤解も見受けられますが要は癌のセカンドオピニオンと同じだと考えれば良いんです。
それは複数の専門家に色々な話を聞いても、最後に決めるのは「自分」ということです。あと、利権構造下で専門家らは言いたいことが言えないのだから研究費の縛りがある専門家に原発に係ることを決めさせてはいけないことも重要です。

Q.議員は非専門家なのに何故住民投票を嫌うのでしょうか?

既にシナリオがある手打ち会議で全てが決まっている現実があるからです。
しかし、民意が上がっていけばそんな状態が許されなくなります。
今までのようにやっていけなくなることを議員らは恐れているんです。

ネット
議員らの話ですが、確か3年前の都議選は築地移転・新銀行・オリンピックが争点でした。
その争点結果、結局民主党が第一党になっていましたよね。
次回の選挙では「原発をどうするか?」が確実に争点になります。

今井氏
そうですね。だから普通に考えたらマニフェストから言っても
民主党は都民投票に賛成しないとおかしいんです。

●住民投票をやって、どんな良いことがありましたか?
小山氏
総合文化会館建設の是非について長野県佐久市で2011年11月14日に
住民投票を実施しました。3万1千が反対・1万2千が賛成でした。

1ヶ月の間に説明会を21回実施。討論会を行い、Q&Aも全戸に配布しました。
地元では賛否が分かれていることもあって、住民の関心ががとても高く非常な盛り上がりをみせました。
地元のテレビ局も熱心に放映し、自腹を切って自分の意見を全戸配布する人がでたほどです(笑

●滋賀県坂田郡米原町での住民投票について聞かせてください
今井氏
費用のことはどういう議論になったのでしょうか?

村西氏
それが、費用についてはあまり議論にあがりませんでした。

今井氏
永住外国人についてはどうだったのでしょうか?

村西氏
住民や議会からは批判はありませんでしたが、外部からの批判がすごかったです。
永住外国人は税金も払っており、地域社会を構成する方々です。
グローバル社会での日本ということを今後考えるに際しても、一住民として、地域の重大決定に意見する権利はあるのではないでしょうか。

共産党
そうですね。永住外国人を投票者に入れることは世界の趨勢だと思います。
賛成派は「同じ影響を受けるのだから投票する権利がある」と言いますが、反対派は「投票権を得る為に移住してきた永住外国人が影響力をもってしまう」と言います。

小山氏
そうですね。なので佐久市では修正して施行しましたが、それは、議会のメンツのようなものでした。

●住民投票に係る未成年者の扱いについて聞かせてください
会場意見
16、18歳に投票の権利を認めるのであれば少年法も改正しないといけないのではないか(権利だけ主張して、義務だけ逃れるというのはどうか)

鳥羽氏
住民投票は1つの課題をとりあげるので、他の法律まで話を広げる必要はないのでは。
重要なのは本テーマが、16歳にふさわしいかどうかということだと思います。
この問題は「健康」もテーマなので義務教育期間が終わった人が適当だとは思います。

宮台氏
例えば特別永住外国人と一般永住外国人では既に数が逆転しています。
(だからこの問題は、日韓問題に絡めた視点だけで単純に排除してはいけないんです)。
これから日本人はますます減り、永住外国人はますます増えていくでしょう。
この関係性を分断していると疑心暗鬼が生じ、費用がかさんでゆくことが予見でき        ます。

共産党
我々は、今回のような「住民投票の投票権」と「選挙の選挙権・参政権」を同義に語ることはできないと考えています。

ネット
「16歳以上20歳未満」方、永住外国人の方を大勢呼んで、意見を聞ける場をつくることも重要だと思います。

●都民投票と現状の政治状況とは?

宮台氏
「これはお前のためだ」と言って押し付ける温情主義(パターナリズム)は政治と市民の関係では避けられないものだが、そもそも政治家らは自立していると言えるのか。もし、自立していると思っているのなら大間違いです。国民のためを思い、国策として原発を遂行していくというのなら
それが国策だといつ誰が決めたのか?国民は決めたつもりはない!

今、大阪では「大停電か・原発再稼動か」という論争になっているが馬鹿馬鹿しいです。
大停電は規定可能なリスクだから、いくらでも避けることはできますが、原発を再稼動して原発事故が起きたときのリスクは規定不可能です。
規定不可能なリスクは避けることができませんから、どちらを選ぶべきかは明白です。
「大人が果たすべき責任は何なのか」から話したほうが良いのでは?と思ってしまうほどです。
だいたい、フルタイムの議員を当然のようにおくから、市民と議員の感覚にここまでのズレが生じてしまったのです(外国ではパートタイム議員が当然)。
皆が本職を持っていて、本職の仕事終わりの19時から会議をやれば、会派の論理とか馬鹿なこと言わなくなるでしょう。

今井氏
住民投票と議会には「議会は案件に賛成しているが、投票では反対の結果が出る」という構図があります。 しかしその後の選挙では「推進派が勝つが投票結果は尊重される」という構図がパターン化されているんです。

住民投票は衆愚政治になるという批判もありますが、自分が調査した401件のなかで衆愚政治になってしまったなあと思ったのは島根県で行われた1件のです。
それは、条例で「賛否のキャンペーンを禁ず」という文言が入ったからそうなったんです。
賛否のキャンペーンが行われれば、必ず民意が反映されるでしょう。

●ちょっと話がずれまして、電力供給のことを宮台さんが熱く語りました。

宮台氏
既存のPPSには色々と規制があります。発送電分離ができていない今の現状で、先ず送電料金が非常に高いです。また、 おかしな規約もあり「30分以内に供給=需給でない状態が生じた場合、電力会社にペナルティを払う」ことになっています。こういった仕組みを変えなければ
供給業者は増えません。
停電の問題はピークシフトが問題です。ピーク時の料金を高くすれば解決することです。
発送電分離のことを主張すると、電力供給に不安定が生じるという話もありますが、ドイツは完全に発送電分離です。日本と同じ停電時間なのでその論理は通用しません。

実は自分3年前まで原発賛成派でしたし、今も原発絶対反対派ではありません。
しかし、このような大事故を起こしても日本という国は自力で原発を止められないことがはっきりしました。「これは●●に刃物だ」と思ったから強く反対しているんです。

● 最後に今井さんから都議の方たちへ
  どうやったら都民投票に賛成議員を増やせると思いますか?

都民投票について「聞いて欲しい」「尊重して欲しい」ということを重視して話すと良いでしょう。
脱・原発の話はせず、あくまでフラットな都民投票の意義を重視した話しをした方がよいでしょう。
レポートは以上です。
youtubeでも動画が見れます。   http://ow.ly/bb27z

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