2016年11月3日(木) 第30回憲法を考える映画の会 『わたしの自由について SEALDs 2015』

「憲法を考える映画の会」からのご案内(2)

2016年11月1日

 2回目の映画のご案内メールをお送りさせていただきます。

 私たちは、憲法に関わる映画を見て、話し合いの機会をもつ「憲法を考える映画の会」と申します。これまで自主上映会を催されたグループのみなさんに、ご案内をメールでお送りさせていただきます。(Bcc:メールになる失礼をお許しください)

 私たちは、これまで憲法について考える映画の上映会を30回ほど続けてきました。ちょうど憲法公布70年の11月3日から来年5月3日の憲法施行70年までの半年間の間に、全国各地で「憲法の映画」を上映したい、上映していただきたいと考えています。
 いろいろな形で憲法に関わる映画を上映利用することによって、ちょうど70年前の日本人が新しい憲法のことを学習したように、憲法について考える場づくりができればと願っています。
 「憲法の映画を、地域で、地方で!」と言う呼びかけです。
 これまで自分たちが上映してきた映画や、新しく作られた映画、あるいは古くても憲法を考える上で役に立つ映画を見つけて、ご紹介して行きたいと思っています。

 一方的なご案内になっていて申し訳ありません。
 もし、こうしたメールの通信において不都合なことがありましたら、次回からのメール送付を遠慮させていただきますのでどうかお知らせください。

■ 憲法を考える映画の会 ホームページhttp://kenpou-eiga.com/
E-mail hanasaki33@me.com
〒185-0024国分寺市泉町3-5-6-303 花﨑気付 TEL 042-406-0502 090-1261-5434(花﨑)

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映画「ハトは泣いている─時代(とき)の肖像」のご紹介

 今月は「憲法の映画を、地域で、地方で!」のひとつとして上映したい、上映してほしい作品「ハトは泣いている─時代(とき)の肖像」をご紹介させてください。

【作品の内容と解説】

 この映画は、2016年5月に完成した「表現の自由」について考えるドキュメンタリー映画です。2014年、表現の自由を脅かす2つの事件があいついで起きました。
 東京都美術館の彫刻作家展に展示されていた中垣克久さんの立体作品に添えられた現政権批判の表示に対して右翼からの講義を受けて、美術館側が作品の撤去を要求した「都美術館事件」。
 もう一つはさいたま市の公民館が、市民が作った「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の俳句を公正中立の場である「公民館の意見と誤解される」と月報への掲載を拒否した「九条俳句事件」です。

 中垣作品はその後、ベルリンの画廊の招請により2ヶ月現地で展示されます。
 作品と事件に対するドイツ人の反応は「表現の自由」侵害への危惧し、「歴史の負の遺産をどう記憶し、伝えていくか」を問い続ける国の決意を鮮明にするものでした。
 これと交差するように、さいたまの俳句会員たちも問題句の掲載を公民館に求め続けます。彼らを支援する市民運動は、公民館を管轄する市教委の市民不在の対応を問い詰めていきます。

 芸術を通した社会参加を問う彫刻家と俳句掲載を求める市民の運動は、それぞれに先の戦争の記憶にあったきな臭さをかぎ取り、行政の忖度がもたらす表現の自由・人権への侵害、「公平中立」の論理的破綻をあらわにしていきます。

 彼らの声は共に、この時代、過去をどう総括し、憲法九条と平和を守るために、私たちは何をするのか、何ができるかを問いかけていきます。

【今、この映画を上映する意味】

 この映画が問いかけている問題は、まさに今の私たちの問題です。
 秘密保護法、安保法制、そして緊急事態法制(条項)、共謀罪、憲法改定と安倍政権は戦争をする国をめざして突き進んできています。
 そこに共通するのは、個人の権利(表現の自由、言論の自由…)を弱め、国家権力を強化し、国民の管理統制を強めていこうとする企みです。戦争することへの反対を許さない姿勢です。ちょうど治安維持法を用意することによって国民の自由を奪って戦争への道へ突き進んだことを繰り返そうとしています。
 「表現の自由」というと、何か作家とか芸術家とかものをつくる一部の人が自由が問われていると思われるかもしれませんが、私たち自身の自由の問題です。
 表現の自由がまず抑えられ、そのことに無関心になっている時、すでに報道の自由も、言論の自由も、私たちの知る権利も抑えられ、私たちの生活の権利も生存権も、生命さえ奪われていくのです。
 「まさかそんなことは」と思っている間に、「おかしい」と声に出すことがためらわれている間に、そうしたもの言わぬことが戦争への道を開き、自由も自分の生活を享受することも奪われていきます。それはすでに歴史の事実が語っています。

 同じ過ちを繰り返さないように、歴史に学び、問題の本質を考え、とことん「おかしい」を言い続ける。
 映画を見るとそうした姿に勇気と力がわいてきます。少しでも多くの人に見てもらって、考え、自分はどうしていくのかを考えるきっかけになってほしいと思います。

【上映会の特徴とポイント】

 この映画の上映をすすめている「映画『ハトは泣いている』の上映をすすめる会」(憲法を考える映画の会は、そのお手伝いをしています)は、これまで首都圏(埼玉・東京・神奈川)を中心に10箇所で映画会を行ない、また上映の支援してきました。この後、千葉、群馬、岐阜、広島、また埼玉や東京多摩でも上映計画が立てられています。

“市民活動から始める映画利用の会”

 この映画の上映の特徴は、制作者がさまざまな形で活動している市民団体やグループの力で上映会を行いたいと考えていることです。少人数の学習会規模で始めてそれぞれの外の人に呼びかけていく、できれば話し合いの機会を持って「考える場作り」ができないかと考えています。
 そうした上映会の形を利用して意見交流、情報交換を行う場になれたらいいなと思っています。

“公民館を映画館にしよう”

 公民館(生涯学習センター・交流館など)って何をするところかわかりますか?
 全国に19000もあるんです。身近な公民館、どこのあって、どんな活動をしているか見回してみましょう。
 この映画は、美術館が「この彫刻を撤去しろ」とか、公民館が「市民の俳句を載せない」と言ったところから始まりました。
 本来、美術館や公民館は市民の社会教育の場であり、主役が市民で、市民が利用するためにつくられたものなのですが、この映画に出てくる役人はそれがわかっていないくて、「自分たちが市民に使わせてやっている」とでも思っているのでしょうか?

 そこで公民館が舞台となったこの映画を、公民館の本来の役割を考え直すために「積極的に公民館で上映しよう」と呼びかけています。
 みなさんもこの映画の上映会を公民館の視聴覚室や集会室を使って催してみませんか。すんなりといけば「けっこう公民館も使えるじゃん」と思えるようになると思います。設備もけっこう整っているので、「これからここでたとえば毎月上映会が定期的にできるね」とか、「同じように考えている人とも出会える機会になるね」という気持ちになります。
 逆にすんなりといかなければ、それを話題にして「どうしてですか?」に訴えていけば良いと思います。そうしたことを通して公民館が本来の市民のものになります。それが民主主義というものでしょうから。

“大学を活用しよう”

 大学と共催、大学の先生と協力、学生たちと共闘という手があります。そこには場所があり、設備があり、人がいます。いっしょに学びたい若い人がいます。
 活動の中で知り合った人の中に大学につながる人もいると思います。

 そのほか、知恵を出し合って、この映画の上映は新しい形にチャレンジしようとしています。それがきっと映画を活用した人集めの市民活動、市民運動になると思います。そしてそうした活動を作り上げていくことが憲法を実現する力になると思います。

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11月の憲法を考える映画の会
『わたしの自由について SEALDs 2015』のご案内

「終わったなら、はじめるぞ」 

2015年夏、路上で声を上げ続け国会前を群衆で埋め尽くした。学生団体「SEALDs」。 彼らの激動の夏に密着したドキュメンタリー。
日本国憲法公布70周年目の11月3日の上映会をどのような映画にするか、70年前を描いた映画が良いのではなかろうか、と思ったのですが、あえて、いまを考えるこの憲法の映画を選びました。「民主主義って何だ」をあらためて考えるこの映画はまさに、いま憲法を考える映画と思います。

 SEALDsの運動は、ことばを大切にしているとこの映画を見て感じました。自分のことばで語る、自分の考えたことを語る、人に伝わることばを選び抜く、群衆の中でのスピーチや個別のインタビューはそうしたことばにあふれています。そこに「民主主義って何だ」との問いかけに通じるものがあるとこの映画は教えてくれます。

 その問いかけは、あえて「私がどうありたいか」を声に出して、より確かな社会を作ろうとする憲法の実現そのものであると思います。「映画の会」には、この映画をつくった監督の西原孝至さんも参加できるということですので、一緒に話に加わっていただけたらと思います。
 「彼らに期待する」のでなく、「彼らに教えてもらいたい」と言う気持ちです。

 そうです。「終わったなら、はじめるぞ」

第30回憲法を考える映画の会
日時:2016年11月3日(祝・木)13:30~17:30
会場:東京体育館第2会議室(千駄ヶ谷駅2分)
映画『わたしの自由について SEALDs 2015』
 2016年制作 165分
参加費:一般1000円 学生600円

       
       ※ 詳しい内容につきましては、憲法を考える映画の会HP:http://kenpou-eiga.com/?p=1850をご覧下さい。

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